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簿記2級独学に不安はつきもの!不合格から這い上がって合格した裏技とは|勉強スペースマガジン

簿記2級独学に不安はつきもの!不合格から這い上がって合格した裏技とは

簿記2級に挑戦したいけれど、独学で本当に合格できるか不安に感じている方も多いのではないでしょうか。
簿記2級は、経理や会計のキャリアに直結する資格で、転職やキャリアアップを目指すビジネスパーソンにとっても大きな武器になります。また、数値管理や経営分析の基礎が身につき、実務でも役立つスキルです。
ただし、簿記2級は“難しい”資格の一つとされ、特に独学では壁を感じることも多いもの。
そこで本記事では、
独学で簿記2級に合格するために役立つコツや勉強法、さらには短期間で成果を出す裏技をご紹介します。
これから挑戦したい方も、今まさに勉強中の方も、ぜひ参考にしてください!

簿記2級は独学で合格できる?

結論から申し上げますと、独学でも十分に合格圏内を狙えます。
それでも、世間的に難しいと言われている資格ですから、多くの受験生が難しいと感じているポイントがあるのは当然です。独学をされる方はそういったポイントをあらかじめ抑えた上で学習を進めることをおすすめします。
きちんと確認したうえで学習に取り組んでみてください。

簿記2級の合格基準と難易度

最近の試験の合格率は下記の通り、統一試験(会場で定期開催)が20%前後、ネット試験(ほぼ毎日受験可能)が35~40%とあり、ネット試験の方が合格率が高い傾向にありますが、不合格率の方が圧倒的に大きいことからいずれにせよ難しい試験であることがうかがえます。

2級(統一試験)

受験者数(申込者数) 実受験者数 合格者数 合格率
167(2024.6.9) 7,786名 6,310名 1,442名 22.9%
166(2024.2.25) 10,814名 8,728名 1,356名 15.5%
165(2023.11.19) 11,572名 9,511名 1,133名 11.9%
164(2023.6.11) 10,618名 8,454名 1,788名 21.1%
163(2023.2.26) 15,103名 12,033名 2,983名 24.8%

2級(ネット試験)

期間 受験者数 合格者数 合格率
2024年4月~2024年6月 24,075名 9,593名 39.8%
2023年4月~2024年3月 119,036名 41,912名 35.2%
2022年4月~2023年3月 105,289名 39,076名 37.1%

簿記2級の資格偏差値は「58」とも言われており、宅建より難しい資格と評価されています。

参考:偏差値から見る資格ランキング

簿記2級が難しいと言われている理由

簿記2級が難しいとされる理由に、次の3つが挙げられます。

  • ・試験範囲が非常に広い
  • ・試験時間が短くなった
  • ・本試験問題が公開されていない

それでは、それぞれ詳しく見ていきましょう。

試験範囲が非常に広い

簿記2級の試験は全部で5問出題され、第1問〜第3問が「商業簿記」、第4問と第5問が「工業簿記」となっており、配点は商業簿記60点と工業簿記40点です。

商業簿記では、3級で学んだ商品売買や固定資産の基礎に加え、中小企業でよく見られる株式会社の会計処理についても深掘りされます。具体的には、リース取引や為替取引、連結会計、税効果会計など、実際のビジネスシーンで頻繁に扱われる取引や処理方法が登場するので、経理業務に必要な知識がさらに広がり、計算や仕訳も複雑になります。

工業簿記では、製造業における原価計算の基本から、さらに細かい計算手法が問われます。個別原価計算や総合原価計算、標準原価計算、直接原価計算といった内容を理解し、正確に処理する必要があるため、実務的なスキルも求められます。例えば、標準原価計算では実際の製造が計画通り進んでいるかのチェックを行い、直接原価計算では短期的な利益計画を立てるための分析も必要です。

このように、商業簿記と工業簿記の幅広い知識が必要であるため、それぞれの分野を計画的に勉強しなければなりません。

試験時間が短くなった

2021年度(第158回試験)から、簿記2級の試験時間は120分から90分に短縮されました。
この変更について、日本商工会議所は以下のように『簿記検定の新たな四つのコンセプト』を出しています。

日々の学習の成果、到達度を測る
スピードと正確性を求める
出題範囲すべての学習を求める
1級まで継続した学習を奨励する

2021年度からの新たな日商簿記検定試験のコンセプトなどについて|日本商工会議所

特に2については

ビジネスの現場では時間管理は不可欠です。そのため本試験では、スピードと正確性を求める出題内容としています。特に、会計処理で必ず必要な仕訳については、速く確実に行うことを重要視しています。

とあるので、限られた時間の中で的確に答えを導く力を求められていることになります。
独学で挑戦している場合、試験の時間配分やペース感を自分で把握・調整し、確実に問題を解き終わらせる力を身につけることが重要です。

本試験問題が公開されていない

簿記2級の試験問題は、2021年度以降公開されなくなり、試験後の内容開示や漏洩も禁止されています。日本商工会議所がサンプル問題を公開しているものの、本試験での情報が手に入れられないため、いわゆる「過去問」を基にした学習ができず、試験対策が難しくなっています。
そのため、受験生は代わりに信頼できる教材を選び、効果的な学習を進めなければなりません。独学の場合、この段階で教材選びに迷ってしまうこともあり、効率的に合格を目指すには、教材の選定が最初の大きな挑戦となります。教材選びの際は、試験に近い内容をカバーし、分かりやすく解説されているものを選ぶことが、試験準備を進める上で大切なポイントです。

上記の3点を抑えたうえで、試験日を逆算して学習計画を立て独学を進めていきましょう。

簿記2級に独学で合格するためのコツと勉強法

独学でのチャレンジでよくあるつまずきポイントを事前に把握したうえで、対策をしていきましょう。

簿記2級を独学で合格するためのコツ

単元ごとの重要度を明確にしている教材を選ぶ

簿記2級の試験範囲は広く、商業簿記と工業簿記を合わせると数多くの単元を学ぶ必要がありますが、各単元の出題頻度や得点配分にはばらつきがあります。そのため、重要度が高い単元をしっかり押さえ、効率的に得点することが鍵です。こうした単元の優先順位が整理されている教材を使うと、学習の際にどこに力を入れるべきかが明確になり、限られた時間で効果的に勉強を進められます。独学では非効率な勉強に陥りやすいので、こうした教材選びがスムーズな学習につながるでしょう。

オリジナルの解法に固執しない

独学で勉強を進める際、自分で考えたやり方で解こうとすることもあるかもしれません。しかし、簿記2級の問題では、一定のパターンや解法が効率的で、試験本番でも時間短縮に役立ちます。特に、試験の特性を踏まえた解法を取り入れることで、複雑な問題にも短時間で対応できるようになります。自分で解いてみて時間がかかりやすい単元に関しては、様々な媒体で紹介されている解法を柔軟に試しながら活用することで、試験でのスピードや正確さが向上します。まずは一般的な解法をベースに学び、自分のものにすることが合格への近道です。

行き詰まりを脱する手段を持っておく

独学は、進捗や理解度を自分一人で管理するため、行き詰まったときに気持ちが停滞しがちです。簿記2級は別の単元とつながっており、1つ理解ができないと連鎖的に理解できない単元が増えるというケースも往々にしてあります。あらかじめ、問題解説動画や試験に特化したアプリ、簿記の勉強コミュニティなど、行き詰った際に活用する手段を持っておくと、困ったときにすぐに解決策を得られます。また、理解できない問題が出たときに一人で抱え込むのではなく、こうしたサポートを利用することで、効率よく疑問を解消し、モチベーションも維持しやすくなるでしょう。独学では、自分なりの息抜きや気分転換の方法もあらかじめ考えておくと、試験直前までの勉強を続けやすくなります。

簿記2級独学で合格するための勉強法とスケジュール

勉強時間と期間の目安

簿記2級に独学で挑む場合、3級の基礎が身についているとしても、新たに学ぶ範囲が広く、250〜300時間程度の学習時間が目安になります。働きながら1日1〜2時間を確保できるとすれば、半年から7か月ほどが目標とされる学習期間です。
目安の期間を踏まえた上で、試験までの残り期間が少ない場合にどう取り組むべきかも考えておきましょう。残り時間によって効率よく学習を進めるためのポイントが変わってくるため、それぞれの段階に応じた勉強法を押さえておくことが大切です。

試験3ヶ月前の場合

この段階では、基礎知識がある程度身についていることが前提です。3ヶ月前からは、本試験の形式に沿って問題演習を強化し、苦手分野の克服に集中します。

学習の柱:商業簿記と工業簿記を分け、模擬問題で実戦練習。

スケジュール例:1〜2週間ごとにテーマを分け、特に出題頻度の高い項目を徹底復習。

試験2ヶ月前の場合

2ヶ月前になると、知識の定着度を高める段階に入ります。実際に試験と同じタイムスケジュールで模擬試験を行い、回答のスピードと精度を上げていきましょう。

学習の柱:頻出問題をスピーディに解けるようにし、計算問題のミスを減らすことを意識。

スケジュール例:週末ごとに模擬試験を実施し、得点状況を確認しながら対策を調整。

試験1ヶ月前の場合

直前対策として徹底的に弱点を補強し、予想問題や模擬問題を使った仕上げを行います。

学習の柱:試験に向けた時間配分の調整や、最も得意な分野での得点確保に集中。

スケジュール例:1日1回の模擬試験を行い、時間内に確実に解ける体制を作る。

残り短期間で簿記2級合格を目指すための裏技6選

試験までの期間が残りわずかであるとき、かえってたくさんのことに手を伸ばしたくなるかもしれません。しかし、重要なことは合格すること、つまり試験本番で70点以上を獲得することです。試験対策における裏技を解説するので、特に試験までの期間が残りわずかである方はぜひ取り入れてみてください。

予想問題や模擬試験や結果を分析する

予想問題や模擬試験などの問題を解いたあとは内容の分析も必ず行いましょう。
特に、間違えた問題、分野を控えておき、後日解き直したり同系統の問題も追加で解くなどして分からない部分を徹底的に潰していくと安心です。

自身の苦手な分野と、得意な分野を把握することで理解度を見つめ直すきっかけにもなります。苦手分野をできる限り減らして、試験当日を迎えるととても自信が持てますよ。

電卓の操作に慣れておく

試験中は時間との闘いですので、タイプミスやそもそもの電卓の使い方でタイムロスをすることだけは絶対に避けましょう。
利き手は解答記入に徹し、利き手とは逆の手で電卓を叩けるようになることはもちろん、+/ーの変換機能(損益計算や精算表での計算に)、メモリー機能(平均単価の計算など数値を一時保存したい時に)、定数計算(製造間接費の部門配賦や積数の工程別原価計算に)などを使ってコツコツ時短し、見直しや苦手分野に時間を充てられるようにしましょう。

外部の環境音がある状態で試験の練習をしておく

予想問題や模擬問題を解く際には本番を意識しましょう。本番では、騒音まではいかずとも自室のように静かで落ち着ける環境があるとは限らないので、図書館やカフェなどで試験の練習をしておくことで、どんな状況でも問題を解けるように備えておくことが大切です。

仕分けは短く書く

簿記2級の試験ではかなり多くの仕分けを書くため、短縮して書くことで時短をしましょう。4文字以下で書くのがおすすめです。自分なりの略し方を持っておきましょう。
例)

普通預金 → 普よ

当座預金 → 当よ

現金過不足 → 現カ

備品 → び

電子記録債務 → 電債ム

減価償却費 → 減ヒ

貸倒引当金 → かし引

繰延税金資産 → くり税

減価償却累計額 → 減るい

未払法人税等 → 未ばほ

役員貸付金 → やかし金

傾向と苦手を掛け合わせて優先順位を決める

簿記2級の試験問題は、以下の構成・配点で出題される傾向にあります。

  1. 第一問:商業簿記仕訳(5問) 20点
  2. 第二問:【頻出】連結会計、株主資本等変動計算書など 20点
  3. 第三問:【頻出】損益計算書、貸借対照表、本支店会計など20点
  4. 第四問:工業簿記の仕訳や個別原価計算、総合原価計算、部門別原価計算など28点
  5. 第五問:【頻出】直接原価計算、標準原価計算差異分析など12点

苦手分野と頻出論点が重なっている時は、そこから重点的に対策するなど、自分なりの戦略を立てましょう。

頻出ワードを抑える

簿記2級では、一般的には聞きなれないようなワードが頻出します。そういったワードを理解し、関連する問題のヒントとして活用しましょう。
例)

直接労務費:製品の製造に直接携わる労働者の賃金や給与を指します。例えば、組立工が行う作業に対する賃金が該当します。製品ごとに直接かかった人件費を把握するために用います。

製造間接費配賦率:製造間接費を各製品や工程に配分するための割合です。例えば、間接費を作業時間に基づいて各製品に割り当てる際に使用されます。配賦率を使うことで、製品ごとの正確なコスト管理が可能になります。

仕損費:製品を作る過程で、不良品や失敗により発生した損失の費用です。不良品の材料費や製造にかかったコストが仕損費として計上されます。

こういったワードがどのような考え方や計算方法を示しているのかを理解することが大切です。また、頻出ワードを理解しておくことで、要点を見つけやすくなります。

簿記2級独学者向けのおすすめツール

簿記2級の独学は、テキストだけだと苦手な問題に詰まってしまうことも多いかと思います。
そんな時は、動画で説明しているサイトやアプリを利用して行き詰まりを解消しましょう。実際に簿記2級に独学で合格された方がお世話になったとおすすめしていたツールをご紹介していきます。

簿記2級独学に役立つサイト

CPAラーニング

すでに利用されている方も多いかもしれませんね。公認会計士資格スクール「CPA会計学院」を運営するCPAエクセレントパートナーズが提供している、完全無料の独学用講義動画サービスです。講義動画に加え、無料の問題集も入手可能で、問題集には解説動画もあるため、テキストで分からない箇所があってもスムーズに理解を進められます。さらに、ネット試験対応の模擬試験も用意されているため、実際の試験に近い形で演習できる点もおすすめです。

【簿記系YouTuber?】ふくしままさゆき

YouTubeにおける簿記関連のYouTuberの中で最も登録者の多い方です。講義だけでなく問題演習と解説もある点がおすすで、苦手分野を特定できていれば、その単元だけ見ることで苦手克服のために活用もできますし、動画で学びたい方は動画を網羅していけば包括的に学習ができるはずです。

いぬぼき

簿記2級または3級の合格を目指す方向けの無料学習支援サイトで、理解中心で無駄な丸暗記を極力なくし、図や例題を多用し記憶に残りやすい作りなっています。完全無料ですが、ところどころに広告が入るので、テキストで分からなかった部分の理解の補足におすすめです。

簿記2級独学に役立つアプリ

スタディGO

このアプリでは、身近にある勉強場所を調べることができます。勉強環境を変えたい、自分が集中できる場所を見つけたい、試験に備え自宅とは異なる環境で模擬試験に取り組みたいなど、勉強場所を探す際に使ってみてください。独学は一人で取り組まれる方が多いので、勉強場所に行って周囲の人から刺激をもらう良いきっかけにもなるかもしれませんね。

パブロフ簿記

このアプリも、利用していらっしゃる方が多いかもしれません。
スキマ時間を活用して効率的に学習できるように設計されており、オフラインでも利用可能です。実務経験に基づいたわかりやすい解説が特徴で、すぐに実践できる解き方が掲載されています。アプリでは、60分の実践問題が無料でダウンロードでき、さらにネット試験の模擬問題も提供されています。的中率が高く、最新の試験内容に対応した仕訳問題を収録しており、収益認識基準に関連する問題にも対応しています。
また、間違えた問題や苦手な問題を効率的に復習できる機能も搭載。自分でチェックを付けた問題だけを抽出して、試験直前に集中的に復習できます。公認会計士による詳細な解説を読むことで、理解を深め、ミスを減らすことができるでしょう。

簿記モバ2級(商業簿記/工業簿記)

全263問、1000パターン超の問題が収録され、ランダムで出題されるため繰り返し演習に最適です。解答形式は本番に近く、勘定科目と金額を入力する形式です。すべての問題には詳細な解説がついており、解説内のリンクからテキストに戻って学習できます。また、苦手な問題を効率よく学べる機能や、重要度ランクで絞って演習することができます。オフラインでも学習でき、どこでも学べます。

まとめ

簿記2級は多くの方が難関資格として捉えていますが、本記事でご紹介した方法を実践すれば、独学でも十分に合格圏内を狙えます
独学での成功の鍵は、基礎の徹底理解と試験の特性・傾向を掴むことにあります。苦手分野は避けることなく向き合うことで、確実に実力をつけられます。また、本記事で紹介した6つの裏技やおすすめのツールを活用することで、より効率的な学習が可能になるはずです。

毎日の学習で壁にぶつかることもあると思いますが、独学だからこそ自分のペースで前進できるという利点があります。独りで行き詰ったり勉強場所に困ったりした際は、新しい勉強場所で集中・気分転換してみてみるなど、自分なりの対処法を持っておくことがモチベーションを保つ秘訣です。

多忙だったり不合格を受けて落ち込んだりしても、そこであきらめず、独学のポイントを抑えて簿記2級合格を実現しましょう!