勉強ノートのまとめ方・書き方|独学に効くタイプ別ノート術3選

勉強ノートのまとめ方・書き方を、独学する人向けに3つのタイプ別で紹介します。「きれいにまとめたのに、テストになると思い出せない」という悩みは、ノートの見た目ではなく使い方を変えると解決に近づきます。

書いて覚える「捨てノート」、苦手だけを集める「復習特化ノート」、コーネル大学生まれの「コーネル式」。それぞれの手順と、どれにも共通するルールまでまとめました。

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独学でノートって本当に必要?

独学を始めたばかりの頃、こんな経験はありませんか。

  • ◯ 綺麗なノートを作ることに夢中になって、肝心の勉強が進まない
  • ◯ ノートを取っているのに、なぜか頭に入ってこない
  • ◯ そもそも、ノートって必要なの?

2つ目の「書いているのに覚えられない」には、はっきりした理由があります。教科書を写す作業は、頭の中から思い出す作業になっていないからです。

アメリカ・ワシントン大学の心理学者による有名な実験(Roediger & Karpicke, 2006/英語の論文)では、文章を読んだあと「もう一度読み直す」学生と「何も見ずに思い出して書き出す」学生を比べました。5分後のテストでは読み直した学生のほうが成績がよかったのに、2日後と1週間後のテストでは、思い出して書き出した学生のほうが多くを覚えていました(1週間後に思い出せた割合は56%と42%)。しかも「覚えた」という自信は、読み直した学生のほうが高かったのです。

ノートが役に立つかどうかは、書いた量では決まりません。そのノートで「思い出す練習」ができるかです。この記事で紹介する3つのノート術は、どれもこの仕組みを組み込んでいます。

勉強にノートはいらない?書かない学習法が向いているケース

ノートを作らないほうが、かえって進む時期もあります。

わかりやすいのは、基礎をひと通り終えて過去問や問題集を回す段階に入ったときです。この時期に一からまとめノートを作ると、1冊仕上がるころには試験日が目の前。テキストの余白に直接書き込む、間違えた問題の解説に付箋を貼る。それだけでも、復習の仕組みは十分に作れます。

書くのが遅く、ノートに時間を取られていると感じる人も同じです。読む・解くに時間を回したほうが伸びる人もいます。学習の段階と自分のクセを見て、「書かない」も選択肢に入れてみてください。

ただし、書かない人でも「間違えた問題だけのノート」は1冊残しておくのがおすすめです。後で紹介するタイプBの復習特化ノートがそれにあたります。社会人がノートを使うべきかどうかは、ノートは使うべき?大人の勉強法でも詳しく解説しています。

あなたはどのタイプ?独学スタイル診断

自分に合うノート術は、覚え方のクセで決まります。当てはまる項目が多いものを選んでください。

タイプA:書いて覚える派

  • ◯ 手を動かすと集中できる
  • ◯ 書くことで記憶に残りやすい
  • ◯ きれいなノートよりも、とにかく書き出したい

タイプB:見返して覚える派

  • ◯ 何度も読み返すことで定着する
  • ◯ 苦手なポイントを明確にしたい
  • ◯ 試験前にサッと確認できるものが欲しい

タイプC:体系的に学びたい派

  • ◯ 情報を整理しながら学びたい
  • ◯ 全体像をつかんでから細部に進みたい
  • ◯ 後から見返しても分かりやすくまとめたい

タイプごとの違いを表にまとめました。どれにも当てはまる場合は、今の勉強の段階で選ぶのも手です。

タイプ ノート術 作る手間 見返しやすさ 向いている場面
A:書いて覚える派 捨てノート 少ない ★☆☆
(捨てる前提)
用語や暗記事項の多い科目
B:見返して覚える派 復習特化ノート 中くらい ★★★ 過去問を回す時期・苦手の克服
C:体系的に学びたい派 コーネル式 多い ★★☆ 講義や参考書の通読・理解が必要な科目

※作る手間と見返しやすさは、この記事の手順どおりに作った場合の目安です。

【タイプ別】勉強ノートの作り方|捨てノート・復習ノート・コーネル式

タイプA向け:捨てノート術

こんな人におすすめ

  • ◯ ノート作りに時間をかけたくない
  • ◯ とにかく記憶に定着させたい
  • ◯ 書くことで覚えるタイプ

捨てノート術とは?

現役東大生がマンガで勉強法を紹介した『マンガでわかる 現役東大生が実践していた! 東大を攻める7つの勉強習慣』(講談社)の「ノート術」の章で取り上げられている方法です。名前のとおり、書いたノートは見返さず、取っておきもしません。記憶から書き出すこと自体が目的なので、きれいさは一切いりません。冒頭の実験でいう「思い出して書き出す」を、そのまま毎日の勉強に組み込んだやり方です。

やり方

ステップ1:短く区切って読む
テキストを10〜15分で読める量に区切ります。見開き1〜2ページが目安。長すぎると、書き出すときに思い出せる量を超えてしまいます。
ステップ2:本を閉じて、覚えていることを書き出す
殴り書きでも、単語の羅列でもかまいません。声に出しながら書くと、手と耳の両方を使えます。図書館や自習室では、口の中でつぶやく程度にしておきましょう。
ステップ3:すぐに答え合わせ
テキストを開き、抜けや間違いを赤ペンで書き足します。思い出せなかった部分こそ、次に覚えるべき場所です。
ステップ4:次の区切りへ
同じ流れを繰り返します。余裕があれば、1日の終わりにその日の範囲をまとめて書き出してみてください。
失敗しないコツ
◯ きれいに書こうとしない(書き直す時間がもったいない)
◯ 完璧を目指さない(思い出せない部分が分かれば成功)
◯ 書いた紙は本当に捨ててOK。裏紙やコピー用紙で十分

タイプB向け:復習特化ノート術

こんな人におすすめ

  • ◯ 何度も見返して覚えたい
  • ◯ 苦手分野を克服したい
  • ◯ 試験直前に確認できるものが欲しい

復習特化ノートとは?

「自分専用の参考書」を作るイメージで、間違えたところと不安なところだけを集めるノートです。全範囲をまとめないので、1冊が薄いまま試験直前まで使えます。

やり方

準備:色のルールを決める
◯ 黒:ふだんの記入
◯ 赤かオレンジ:暗記したい語句(赤シートで隠れる色)
◯ 青:見出し・テーマ名
ステップ1:載せる内容を絞る
◯ 2回以上間違えた問題
◯ 似ていて混乱する用語
◯ 試験前にもう一度確認したい数字や公式
解説を丸ごと写すのは禁物。自分の言葉で、箇条書き3行以内に収めます。
ステップ2:答えは赤シートで隠れる色で書く
問題と答えを分けて書いておくと、赤シートを乗せるだけで一問一答のクイズになります。
ステップ3:単元の最後に要点を足す
公式や判断のポイントを数行でまとめておくと、試験前に見る場所が決まります。
ステップ4:見返すタイミングを先に決める
このノートの価値は「見返す回数」で決まります。通勤中、昼休み、寝る前。開くタイミングを先に決めてしまうのがおすすめです。
失敗しないコツ
◯ ノート作り自体を目的にしない
丸写し禁止(自分の言葉で要約)
◯ 1ページ1テーマで情報を整理

タイプC向け:コーネル式ノート術

こんな人におすすめ

  • ◯ 情報を体系的に整理したい
  • ◯ 考えを深めながら学びたい
  • ◯ 後から見返しても分かりやすくしたい

コーネル式ノート術とは?

アメリカ・コーネル大学の教育学教授ウォルター・ポーク氏が考案し、著書『How to Study in College』で広めたノート術です。コーネル大学の学習支援センターは、今も学生向けにこの方法を案内しています。

ノートの作り方

1ページを3つのエリアに区切ります。

キュー欄
約5〜6cm
キーワード・問い
ノート欄
授業や本の内容を記録するメインのスペース
サマリー欄(下から約5cm)
このページの要点を2〜3行で

コーネル式ノートのレイアウト(コーネル大学の資料をもとに作成)

コーネル大学の資料では、左の欄が2.5インチ(約6cm)、下の欄が2インチ(約5cm)です。日本で一般的なB5ノート(幅約18cm)なら、左の欄は5cm前後にすると右側に書くスペースを確保できます。

  • 左:キュー欄 キーワードや、右の内容に対する「問い」を書く
  • 右:ノート欄 授業や本の内容を書き込むメインのスペース
  • 下:サマリー欄 そのページの要点を2〜3行でまとめる

使い方の流れ

1. 記録する(授業・読書中)
右のノート欄に、要点を短い言葉で書きます。文章にせず、単語・矢印・記号で十分。重要な箇所は色を変えるか下線を引きます。
2. 問いを書く(できればその日のうちに)
左のキュー欄に、右の内容から作った問いやキーワードを書きます。「〜とは?」「なぜ〜なのか?」の形にしておくと、あとで使いやすくなります。
3. 隠して答える(復習時)
右側を紙で隠し、左の問いだけを見て答えを言ってみます。言えなかった問いには印を。冒頭で紹介した「思い出す練習」が、ここに組み込まれています。
4. 下の欄にまとめる
サマリー欄に、そのページの要点を2〜3行で書きます。3行で書けないときは、理解があいまいなサインです。
5. 週に1回見返す
考案者のポーク氏は、週に10分以上、過去のノートを見返すことをすすめています。
失敗しないコツ
◯ 最初から完璧に区切ろうとしない(慣れでOK)
◯ キュー欄は後から書き足してもよい
◯ サマリーは自分の言葉で書く
◯ 会議メモや仕事の勉強会にも使える

効果的なノートの取り方で得られる3つの学習効果

3つのノート術は形こそ違いますが、狙っている効果は共通しています。

1. 頭の中が整理される
書くためには、何が大事で何が枝葉かを決めなければなりません。コーネル式のサマリー欄は、この「決める」作業を毎ページ求める仕組みです。

2. 思い出す練習になり、記憶に残る
冒頭の実験のとおり、見ずに書き出した内容は1週間後も残りやすくなります。捨てノートは、この効果だけを取り出したやり方です。

3. 自分の弱点が目に見える
間違えた問題が1冊に集まると、同じところで何度もつまずいていることに気づけます。復習特化ノートのいちばんの価値はここにあります。

反対に、この3つのどれにもつながっていないノートは、ただの作業になっているかもしれません。書き始める前に「このノートで何をするか」を1つ決めておきましょう。

勉強ノートのまとめ方・書き方|共通の5ルール

どのノート術を選んでも、次の5つを守ると見返しやすいノートになります。

  • ペンは3色まで(黒・赤かオレンジ・青)。色が増えるほど、どこが大事か分からなくなります
  • 1ページ1テーマで書き、見出しの横に日付とテキストのページ番号を入れる。見返すときに元の説明へすぐ戻れます
  • 右側や下に余白を残す。あとで間違えた問題や気づきを書き足せます
  • テキストの丸写しはしない。自分の言葉に言い換えられるかが、理解のチェックになります
  • 図や表は描かずにコピーを貼る。描く時間を、覚える時間に回しましょう

ノート以外の独学成功の秘訣

無理のないスケジュールを立てる

独学でいちばん多い失敗は、張り切って立てた計画についていけず、そのままやめてしまうことです。

  • ◯ 「今週は忙しいから、通勤30分だけ
  • ◯ 「週末は予定が多い → 平日に少し多めに勉強」
  • ◯ 「疲れた日はノートの見返しだけでもOK」

ポイントは「毎日続けられる最小限」を決めておくこと。独学そのもののコツは独学の効率を上げるコツでまとめています。

毎日学習に触れる習慣をつける

  • ◯ 通勤中にテキストを1ページ
  • ◯ 寝る前にノートを3分見返す
  • ◯ 朝食後に昨日の復習を5分

寝る前の3分は、復習特化ノートやコーネル式のキュー欄を使うのにちょうどいい長さです。

リスクヘッジを用意しておく

モチベーションが下がったとき
◯ 場所を変える(カフェ・図書館・自習室など)
◯ 単元を変える/難易度を下げる
◯ 無料講座や体験講座で刺激を入れる
分からないとき
◯ YouTubeや解説サイトで補う
◯ 勉強仲間やSNSのコミュニティで質問する
◯ 基礎に戻る/いったん飛ばして後で再挑戦

家だと集中が続かない日は、ノートとテキストだけ持って場所を変えるのがいちばん手軽です。スタディGOなら、近くの自習室やコワーキングスペースを地図から探せます。予約不要で、30分から使える店舗もあります。使い方はスタディGO 時間利用 完全ガイドをご覧ください。

勉強ノートのまとめ方・書き方についてよくある質問

Q1. ノートの「取り方」と「まとめ方」は何が違う?

取り方は、授業や本を読みながらその場で記録すること。まとめ方は、あとから内容を整理し直して、見返すための形にすることです。コーネル式は、右の欄で「取る」、左と下の欄で「まとめる」を1ページでこなせるのが強みです。

Q2. ノートはきれいにまとめたほうがいい?

自分が読める程度で十分です。きれいさに時間をかけるほど、思い出す練習の時間が減ってしまいます。例外は、試験直前まで何度も見返す復習特化ノート。ここだけは、赤シートで答えを隠せるよう色のルールをそろえておきましょう。

Q3. まとめノート作りに時間がかかりすぎます。どうすればいい?

ノートを作る時間が、問題を解く時間より長くなっていたら見直しのサインです。全範囲をまとめるのをやめて、間違えたところだけを書く復習特化ノートに切り替えるか、テキストへの書き込みで済ませましょう。

Q4. 頭がいい人のノートの取り方に共通点はある?

東大生の勉強法として紹介される捨てノートと、コーネル大学生まれのコーネル式を比べると、共通しているのは「あとで思い出すための仕掛け」です。どちらも、ノートを見ずに答える場面を作っています。ノートを「読むもの」ではなく「自分をテストする道具」として使っている点が、見た目よりもずっと大事です。

Q5. 資格勉強のノートはどう作る?

テキストを1冊まとめ直すより、過去問で間違えた論点だけを集める復習特化ノートがおすすめです。資格試験は出題範囲が広く、全部をまとめると時間が足りなくなりがちです。仕事と両立する社会人の勉強法は、ノートは使うべき?大人の勉強法も参考にしてください。

Q6. ノートを取っているのに覚えられないのはなぜ?

写す・読み返すだけでは、思い出す練習になっていないからです。冒頭の実験でも、読み直した学生は自信があるのに、1週間後に覚えている量は少ないという結果でした。書いたあとにノートを閉じて、何が書いてあったかを言えるか試してみてください。

まとめ:自分に合った方法で、楽しく独学を続けよう

  1. 自分のタイプを知る(書く/見返す/整理する)
  2. 自分に合ったノート術を選ぶ
  3. 無理のないペースで続ける
  4. 挫折対策を準備しておく

ノートは手段であって目的ではありません。
完璧なノートより、「学びを定着させるノート」を目指しましょう。

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