中小企業診断士の勉強時間を確保する方法！試験の勉強方法も解説
中小企業診断士の試験に合格するためには、十分な学習時間が必要です。しかし、忙しい社会人にとっては、なかなか時間を見つけるのが難しいかもしれません。
そこで、この記事では中小企業診断士の勉強時間を確保する方法をご紹介します。また、試験の勉強方法も解説します。この記事を読めば、中小企業診断士の試験に向けて、効率的に学習できるようになります。ぜひ最後までお読みください。
中小企業診断士の勉強時間の目安は？
これから中小企業診断士の試験に挑む方は、どれだけの勉強時間が必要なのか気になるものです。試験に合格するための勉強時間の目安がわかれば、学習計画も立てやすくなります。まずは、中小企業診断士試験に合格するための勉強時間を解説します。
おおむね1,000時間が必要
中小企業診断士の試験に合格するには、おおむね1,000時間程度の勉強時間が必要です。仮に1日3時間の勉強時間を確保したとしても、1年程度の期間が必要になります。では、なぜ1,000時間もの勉強時間が必要と言われているのでしょうか。
その理由は下記が挙げられます。
- 試験難易度の高さ
- 試験合格率の低さ
中小企業診断士試験は、1次試験7科目と2次試験は4科目の筆記試験、口述試験で構成されています。非常に幅広い試験科目だけではなく、専門的な知識や論理力も試されます。そのため、合格率は1次試験、2次試験ともに20％であり、試験全体では5パーセント前後です。
参考：一般社団法人 中小企業診断協会「中小企業診断士試験 申込者数・合格率等の推移」
これらの理由から、中小企業診断士の試験合格には、より多くの勉強時間が必要となるのです。
科目別の勉強時間は？
中小企業診断士試験に向けた科目別の勉強時間をご紹介します。
| 試験 | 科目 | 勉強時間（目安） |
| 1次試験 | 財務会計 | 約150時間 |
| 企業経営理論 | 約100時間 | |
| 運営管理 | 約100時間 | |
| 経営経済論 | 約100時間 | |
| 経営情報システム論 | 約50時間 | |
| 経営財務論 | 約100時間 | |
| 中小企業政策論 | 約50時間 | |
| 2次試験 | 事例1～3 | 約150時間 |
| 事例4 | 約100時間 | |
| 口述試験対策 | 約50時間 |
上表のように、各試験科目において、十分な勉強時間の確保が求められます。
勉強時間を確保するための方法
中小企業診断士試験に合格するために、効率よく勉強時間を確保しなければなりません。ここからは、試験合格に向けて勉強時間を確保する方法をご紹介します。
朝活で1日の始まりに勉強する
まずは朝活で1日の始まりに勉強することがおすすめです。朝起きてすぐに勉強することで、集中力や記憶力を高められます。理由は朝は脳が休息状態から覚醒状態に移行する時期であり、新しい情報を受け入れやすくなるからです。
また、朝の勉強は一日の予定や悩み事などストレスが少なく、気分もすっきりしています。さらに、朝の勉強は一日の目標達成感や自信を高める効果もあります。朝活で勉強することは、脳の状態や心理的なメリットを利用して、効果的に学習する方法です。
これまでの生活習慣を見直して「1時間早く起きよう」「夜更かしせずに23時までには就寝する」といった行動から朝活につなげていきましょう。
スマートフォンを勉強道具にする
次にスマートフォンを勉強道具にすることです。スマートフォンは年々、利便性が高まり、インターネットやアプリを使って、様々な教材やサービスにアクセスできる便利な勉強道具として活用できます。
また、スマートフォンは、常に持ち歩くことができるので、いつでもどこでも勉強できます。音声や映像などのメディアを利用して、視覚的や聴覚的に学習することも可能です。
それから、記録や管理などの機能も備えており、自分の学習状況や進捗を把握できるでしょう。スマートフォンは多様な学習方法やサポート機能を提供してくれる優れた勉強道具です。
スマートフォンアプリのなかには中小企業診断士の試験対策に特化しているものもあります。通勤時間や隙間時間などに使ってみましょう。
隙間時間や移動時間を有効活用する
隙間時間や移動時間を有効活用することで、勉強時間の確保が可能です。隙間時間や移動時間は、短時間でも積み重ねることで大きな学習効果を生むことができます。
これは、仕事や家事などの他の作業と切り替えることで、脳に刺激を与えて記憶力を高めることができるからです。また、一度に長時間勉強するよりも疲労感が少なく、モチベーションを保ちやすいです。
さらに、自分の都合に合わせて柔軟に調整できるので、無理なく学習計画を立てられます。隙間時間や移動時間は、効率的かつ快適に学習できる貴重な時間です。日常生活での隙間時間や移動時間を洗い出して、勉強時間に充当しましょう。
睡眠や食事など基本的な生活習慣を整える
勉強を継続するためには、睡眠や食事などの基本的な生活習慣を整えてください。睡眠や食事などの基本的な生活習慣を整えることで、脳の働きや体調を良くし、学習効果を高められます。
理由は睡眠は脳に蓄えた知識を整理整頓して定着させる役割があるからです。睡眠不足は、記憶力や集中力を低下させるだけでなく、ストレスやイライラなどのネガティブな感情を引き起こすこともあります。
また、食事は脳にエネルギーを供給する役割があります。食事のバランスやタイミングが悪いと、血糖値の乱高下や栄養不足などが起こり、脳の機能が低下することもあるでしょう。
その他、適度な運動や水分補給、休憩なども脳の活性化やリフレッシュに効果的です 。睡眠や食事などの基本的な生活習慣を整えることは、脳の健康や気分の良さに直結し学習効果を高められます。
1次試験を最短合格するための勉強法
中小企業診断士の試験は1次試験に合格しなければ、2次試験に進めません。まずは1次試験に合格するための勉強法を確認し、最短合格を目指しましょう。
テキストと問題集の使い方を工夫する
試験勉強では、テキストと問題集が不可欠ですが、使い方を工夫してください。理由は使い方によっては時間や労力の無駄になるからです。
テキストは各科目の知識や理論を網羅的に学ぶために必要ですが、すべてを暗記しようとすると時間がかかります。テキストは、重要なポイントや出題傾向に注目して読み込むことが大切です。
出題頻度が高く配点が多い内容、過去問や模擬問題などでよく出題される形式やパターンを把握しましょう。これらを把握することで、試験で必ず出題される可能性が高い内容や概念を効率的に学習できます。
問題集はテキストで学んだ知識や理論を確認するために必要です。しかし、ただ解くだけでは効果が半減するため、解答の理由や解法をしっかり理解し、間違えた問題や苦手な問題を復習することが大切です。
解答の理由や解法を理解することで、同じような問題に対応できるようになります。間違えた問題や苦手な問題を復習することで、自分の弱点の克服が可能です。
このようにテキストと問題集は、基本的な教材として重要であり、使い方に工夫が必要です。テキストは重要なポイントや出題傾向に注目して読み込み、問題集は解答の理由や解法を理解し復習することで、学習効率を高められます。
重要ポイントを的確に効率よく学習する
次に重要ポイントを的確に効率よく学習してください。重要ポイントとは、出題頻度が高く配点が多い内容や概念であり、的確に効率よく学習することで、合格点に近づくことができます。
重要ポイントは各科目の中核的な内容であり、試験で出題される可能性が高いです。重要ポイントを押さえることで、多くの問題に対応できるようになります。例えば、経営戦略論では、SWOT分析やバランススコアカードなどの戦略的な分析や計画の方法を重要ポイントとして学ぶ必要があります。
経営管理論では、組織論や人事管理論などの基本的な内容や概念を重要ポイントとして学ぶ必要があります。これらは、各科目の中でも高い配点を持つ内容や概念であり、得点力を高めることができます。
2次試験との関連性を意識する
2次試験との関連性を意識することも大事です。2次試験との関連性を意識することで、1次試験の学習内容を深めることができるからです。
例えば、経営戦略論では、SWOT分析やバランススコアカードなどの戦略的な分析や計画の方法を学びますが、これらは2次試験の経営計画策定能力や経営課題発見・分析能力にも活かせます。
また、2次試験では、実際の中小企業の事例に基づいて経営計画を策定したり、経営課題を発見・分析したりする必要があります。その際には、1次試験で学んだ知識や理論を応用することができます。
1次試験で学んだ知識や理論は、2次試験で応用されることを想像しながら学習することで、理解度や記憶度を高めることにつながるのです。
2次試験を最短合格するための勉強法
2次試験は1次試験と性質が異なるため、こちらも十分な勉強が必要です。具体的な勉強方法として3点に絞って解説します。
2次試験の特徴を把握する
まずは2次試験の特徴を把握しましょう。2次試験の特徴を把握することで、出題傾向や対策を把握できるからです。2次試験は中小企業の診断や助言に関する実務の事例をもとに出題されます。
そのため経営計画策定能力や経営課題発見・分析能力、経営課題解決能力などが求められます。いずれの能力も事例に対して分析し論理的な思考や判断が必要です。
また、2次試験では口述試験も実施されます。口述試験では中小企業診断士として必要な内容の質問に対して口頭で回答する能力が試されます。このような試験内容や特徴を十分に分析することで、学習計画を立てて実行できるわけです。
論理的思考力を身につける
中小企業診断士の2次試験を攻略するために、論理的思考力を身につけましょう。論理的思考力とは、事実や根拠に基づいて、正しい判断や推論を行う能力です。論理的思考力を身につけることで、2次試験で出題される実践的な問題への対応が可能です。
先述した経営計画策定能力や経営課題発見・分析能力、経営課題解決能力には論理的思考力が必要であり、試験合格には不可欠です。論理的思考力を養うためには言葉を具体的にすることや自分の思考の癖に気づくことを意識しましょう。
例えば「早期に改善する」の「早期」は抽象的で具体性がありません。また、物事に対する自分の思考には癖も考えられます。主観や先入観などにとらわれない捉え方を身につけてください。
自分の現在の力を把握して学習に活かす
自分の現在の力を把握して学習に活かすことも大事です。各教科の知識やスキルのレベルを客観的に判断し、自分の現在地を確認しましょう。自分の現状を把握する方法は次が挙げられます。
- 過去問や模擬問題を解いて自己採点する
- 口述試験対策教材やサービスを利用して自己評価やフィードバックを受ける
上記の方法で、自分の現在の力を把握すると、弱点や補強ポイントがわかり、学習計画に盛り込めます。定期的に自分の現状を確認し、勉強内容に活かしてください。
まとめ
中小企業診断士の試験に合格するには、1,000時間程度の勉強時間が必要とされています。試験合格までに必要な勉強時間は人それぞれですが、いずれにしても中長期的に学習を継続する必要があります。
特に社会人であれば、仕事などとの両立が必要で効果的に勉強時間を確保しなければなりません。今回は勉強時間を確保する方法や、1次試験と2次試験の勉強方法を解説しました。中小企業診断士の試験勉強に、ぜひ活かしてください。
参考
https://www.tac-school.co.jp/kouza_chusho/chusho_sk_idx/chusho_selfstudying.html
https://studying.jp/shindanshi/about-more/more-studytime.html
