公認会計士に必要な勉強時間は?時間確保の方法や裏技も解説
「公認会計士の勉強時間ってどれくらい?」「勉強時間確保の方法について知りたい…」と考える方も多いでしょう。公認会計士試験は難易度が高く、学習ボリュームが多い試験の1つです。そのため、長期的な勉強時間の確保とスケジュール管理が求められます。
この記事では、公認会計士に必要な勉強時間について詳しく解説します。勉強時間確保の方法や裏技もご紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
公認会計士に合格するための勉強時間の目安は3,500時間
公認会計士に合格するための勉強時間の目安は約3,500時間と言われています。1日平均5時間勉強した場合、700〜800日の勉強日数を要します。2〜3年間の勉強期間が必要な試験になるため、あらかじめ勉強計画を立てておくことが重要です。
とはいえ、大学生か社会人によって確保できる勉強時間は異なります。必要な勉強時間も大学生か社会人によって異なることについて詳しく解説します。
大学生か社会人かで必要な勉強時間も異なる
公認会計士試験の場合、大学生か社会人かで必要な勉強時間が異なります。公認会計士試験は、試験範囲が広く、難易度が高い試験です。広範囲に渡る試験内容の暗記や理解が必要な試験になるため、記憶範囲、処理速度の低下が進むと合格の可能性が一気に低下します。
ここで、公認会計士試験の年代別の合格率を見ていきましょう。
区分 | 願書提出者(A) | 論文式受験者(B) | 合格者(C) | 合格率 | |
(C)/(A) | (C)/(B) | ||||
~19歳 | 402人 | 36人 | 21人 | 5.2% | 58.3% |
20~24歳 | 8,906人 | 1,959人 | 929人 | 10.4% | 47.4% |
25~29歳 | 4,183人 | 958人 | 337人 | 8.1% | 35.2% |
30~34歳 | 2,144人 | 456人 | 117人 | 5.5% | 25.7% |
35~39歳 | 1,239人 | 262人 | 26人 | 2.1% | 9.9% |
40~44歳 | 752人 | 165人 | 19人 | 2.5% | 11.5% |
45~49歳 | 473人 | 97人 | 5人 | 1.1% | 5.2% |
50~54歳 | 288人 | 54人 | 1人 | 0.3% | 1.9% |
55~59歳 | 191人 | 35人 | 1人 | 0.5% | 2.9% |
60~64歳 | 108人 | 23人 | 0人 | 0.0% | 0.0% |
65歳~ | 103人 | 22人 | 0人 | 0.0% | 0.0% |
参考:令和4年公認会計士試験
令和4年公認会計士試験の結果を見ても分かる通り、年齢とともに合格者数・合格率の低下が顕著に表れています。そのため、記憶範囲や処理速度が低下しつつある年代が受験する場合は、長期的な視野で勉強時間を確保する必要があります。
公認会計士試験に合格するために必要な勉強時間を科目別に解説
公認会計士試験では、下記の受験科目の勉強をする必要があります。
科目 | 勉強時間(3,500時間) |
財務会計論(計算・理倫) | 700時間(計算)、640.5時間(理倫) |
管理会計論 | 486.5時間 |
監査論 | 444.5時間 |
企業法 | 472.5時間 |
租税法 | 469時間 |
選択科目 | 287時間 |
それぞれの科目について詳しく紹介していきます。
財務会計論(計算・理倫)
財務会計論は公認会計士試験のなかでも、ボリュームのある試験内容となっています。そのため、勉強時間の割合は財務会計論(計算)で700時間、財務会計論(理倫)で640.5時間を占めます。財務会計論は、全体の1/3以上を勉強時間に充てる重要な試験科目です。
管理会計論
管理会計論は全体の13.9%の勉強時間が必要です。全体の勉強時間を3,500時間と考えた場合、486.5時間の勉強時間が目安です。財務会計論の次に勉強時間を要する科目となっています。
監査論
監査論は全体の12.7%の勉強時間が必要です。全体の勉強時間を3,500時間と考えた場合、444.5時間の勉強時間が目安です。他の科目に比べ勉強時間がもっとも少ない科目となっていますが、400時間超の勉強時間確保が必要です。
企業法
監査論は全体の13.5%の勉強時間が必要です。全体の勉強時間を3,500時間と考えた場合、472.5時間の勉強時間が目安です。企業法は公認会計士試験のなかでも500時間近く必要な勉強時間となっています。
租税法
監査論は全体の13.4%の勉強時間が必要です。全体の勉強時間を3,500時間と考えた場合、469時間の勉強時間が目安です。租税法は企業法同様、公認会計士試験のなかでも500時間近く必要な勉強時間となっています。
選択科目
選択科目は全体の8.2%の勉強時間が必要です。「経営学」「経済学」「民法」「統計学」の4科目から選べるため、科目によって勉強時間は変動します。選択科目のなかでもボリュームの少ない「経営学」は勉強時間を他の科目に割きたい方におすすめです。すでに大学や大学院などで経済学、民法などの学習を進めていた場合は経営学以外の選択科目でも勉強時間を抑えられます。
公認会計士を目指す人が学習時間を確保する方法
社会人が公認会計士を目指す場合、学習時間の確保が大きな課題になります。学習時間を確保するためには「タイムスケジュールをつくる」「すきま時間にできることを用意しておく」「勉強をする環境を整える」の3点が重要です。1つずつ詳しく解説していきます。
タイムスケジュールをつくる
勉強時間を確保するためには、タイムスケジュールを作っておくことが重要です。1日のスケジュールを立てておくことで、迷うことなく勉強のタイミングに入れます。反対に、タイムスケジュールを決めていない場合、勉強に入るまでにかなりの時間を要します。
現にスケジュールを立てている人と立てていない人では、勉強効率に違いが生まれているのです。とはいえ「公認会計士の試験は長期間でボリュームも大きいから1日にどれくらいの勉強期間を立てればいいかわからない」といった方も多いでしょう。そういった方の場合は、1か月にやるべきことを洗い出し、1日のスケジュールに落とし込んでいきましょう。また、今回ご紹介している公認会計士試験の勉強時間の配分を参考にしてみてください。
参考:大学生の学修スケジュールの立案に関する調査研究 : 計画性の差による大学生の実態と比較
すきま時間にできることを用意しておく
勉強時間の確保が難しい場合は、通勤時や昼休みなどのすきま時間を有効活用しましょう。特に社会人の場合、さまざまなすきま時間があるため、有効活用することで公認会計士試験の合格に近づきます。
実際に10分のすきま時間を1年間有効活用できれば、365分の勉強時間を確保したことになります。とはいえ、すきま時間でできることは限られているため、事前にできることを用意しておくことが重要です。リスニング教材や暗記本の活用など手軽に公認会計士試験の勉強ができる教材の準備をしておきましょう。
勉強をする環境を整える
勉強時間の確保を行なうためにも、勉強をする環境を整えましょう。勉強環境が整えられていることにより、帰宅後や起床後でもスムーズに勉強できる体制を作れます。とはいえ、勉強をする環境を整えるためのスペースや時間がないといった方もいるでしょう。
そういった方は、勉強ができるカフェや自習室を見つけておきましょう。人によって集中できる環境は大きく異なります。そのため、勉強できる環境を見つけるとともに、自分にとって集中できる環境を探すのも環境を整える手段の1つです。
勉強時間を確保できないなら海外の会計士試験を受けるという裏技も
公認会計士試験の勉強時間を確保できない場合、海外の会計士試験を受けることを検討しましょう。海外の会計士試験(USCPA)とは、米国各州が認定する公認会計士資格のことです。海外への展開を考えている企業が増える日本では、USCPAの需要度は非常に高まっています。また、USCPAは日本の公認会計士資格より難易度がそれほど高くはないため、合格率も下記のように高い水準を誇っています。
科目(4科目) | 合格率(全世界) |
FAR(財務会計) | 49.98% |
BEC(企業経営環境・経営概念) | 65.56% |
REG(諸法規) | 62.29% |
AUD(監査及び諸手続き) | 52.84% |
参考:TAC
また、1科目ずつ合格を積み上げていく試験になるため、勉強スケジュールも立てやすくなっています。英語が得意な方や公認会計士試験の勉強時間確保が難しいといった方は、海外の公認会計士受験を検討してみましょう。
まとめ:公認会計士試験に合格するために、うまく勉強時間を確保しよう
今回は、公認会計士に必要な勉強時間や勉強時間確保の方法、裏技についてご紹介しました。公認会計士試験は非常に難易度が高く、勉強時間を要する試験です。そのため、うまく勉強時間を確保する必要があります。勉強時間を確保するためには、勉強をする環境を整えることが重要です。
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