公認会計士の仕事内容をわかりやすく解説

「公認会計士」という仕事についてどのようなイメージを持っていますか?

「名前は聞いたことがあるけど、実際に何をしている人かわからない」と考えている方もいるでしょう。

そこで、本記事では公認会計士の仕事内容を分かりやすく解説します。

公認会計士の魅力ややりがいについても解説しているので、ぜひ最後までお読みください。

公認会計士とは監査・会計のスペシャリストのこと

公認会計士とは、監査や会計のスペシャリストのことです。

監査や会計、さらには経営の専門知識を活かして、企業の財務諸表の監査をしたり第三者の立場から企業に対して意見を表明したりします。

公認会計士が企業の財務諸表を監査することで、出されている情報が正しいという信頼性が付与されます。

信頼性を担保するためにも、公認会計士は独立した立場で業務を行うことが求められるのです。

厚生労働省のデータによると、公認会計士の平均年収は令和4年時点で746.6万円です。

日本の平均年収が443万円であることを考えると、日本の平均年収の2倍近い給料をもらえることがわかります。

参考:jobtag「公認会計士」

   国税庁|令和3年分民間給与実態統計調査結果

公認会計士の仕事内容①監査

ここからは、具体的な公認会計士の仕事内容を紹介します。1つ目に紹介する公認会計士の仕事内容は「監査」です。

監査は、企業をはじめ学校法人や公益法人について、独立した立場から監査意見を表明し、企業などが出す財務情報が信頼できるものであることを担保する仕事です。

監査はさまざまな仕事に分かれているため、以下の3つの業務に分けて解説します。

  • 法定監査業務
  • 法定監査業務以外の監査
  • 国際的な監査業務

法定監査業務の主な仕事内容

法定監査業務とは、法令などで義務付けられた監査を行うものです。

具体的には、金融商取引法に基づく監査が挙げられます。

金融商取引法では、特定の有価証券発行者等が提出する有価証券報告書等に含まれる貸借対照表や損益計算書などの財務計算に関する書類には、公認会計士または監査法人の監査証明が必要であると定めています。

また、会社法に基づく監査も法定監査業務の1つです。

会社法で、大会社や委員会設置会社は、会計監査人を置くことが義務付けられています。

また、大会社や委員会設置会社でなくても、会計監査人を置く旨を定款に定めることで、全ての株式会社が会計監査人を置けます。

会計監査人は公認会計士または監査法人でなければならないため、公認会計士の仕事の1つになるのです。

他にも、投資法人や信用金庫・信用組合、一般社団・財団法人などさまざまな種類の団体の監査も、法定監査業務に含まれます。

参考:公認会計士の仕事内容

法定監査業務以外の監査の主な仕事内容

法定監査業務以外の監査の仕事には、以下のものがあります。

  • 法定監査以外の会社等の財務諸表の監査
  • 特別目的の財務諸表の監査

法令等で監査が必要とされていない場合でも、会社等から監査の依頼を受けた場合は監査サービスを提供します。

また、特定の利用者のニーズを満たすために特別の利用目的に適合した会計の基準に準拠して、財務諸表を作成することもあります。

法令では定められていませんが、これも立派な公認会計士の仕事の1つです。

参考:公認会計士の仕事内容

国際的な監査業務の主な仕事内容

公認会計士は、日本国内のみならず国際的な監査業務を行うこともあります。

例えば、海外の取引所等に株式を上場している会社または上場申請する会社の監査が挙げられます。

他にも、日本企業の海外支店、海外子会社、合弁会社などの監査なども国際的な監査業務の1つです。

参考:公認会計士の仕事内容

公認会計士の仕事内容②税務

2つ目に紹介するのは「税務」です。

公認会計士は税理士登録を行うことで税務業務ができるようになります。

税務業務の一例に、税務代理があります。

税金の申告や税務調査の結果を受けた不服申し立て、税務官庁との交渉などが税務代理の具体的な内容です。

他にも、税務書類の作成や企業再編に伴う税務処理及び財務調査など、税理士が一般的に行う税務の業務は一通りできます。

参考:公認会計士の仕事内容

公認会計士の仕事内容③コンサルティング

3つ目に紹介するのは「コンサルティング」です。

コンサルティング業務では、企業の経営全般に関する相談や助言などを行います。

公認会計士としてさまざまな企業や団体についての監査を行う中で得られた知見をもとにアドバイスを行うため、実例をもとにした的確なアドバイスができることが大きな強みです。

参考:公認会計士の仕事内容

公認会計士の仕事内容④組織内会計士

4つ目に紹介するのは「組織内会計士」です。

公認会計士が監査を行う際には、独立した立場であることが必要です。

しかし、公認会計士の中には一般企業や国・地方公共団体、教育機関などの組織内で働く人もいます。

組織の中で財務諸表を作成したり財務方針や戦略を決めたりするなど、経理業務や財務業務などを行います。

参考:公認会計士の仕事内容

公認会計士の1日あたりの仕事内容と流れ

大企業の監査を担当する公認会計士を例にすると、公認会計士は始業後の9時半頃にはクライアントである企業のオフィスに出勤することが一般的です。

監査をするには書類のチェックや担当者へのヒアリングをする必要があるため、直接クライアントのオフィスに出向いて仕事をします。

基本的にはクライアントの企業の定時である17時から17時半頃までには仕事を切り上げて退勤します。

もし残業がある場合は、クライアントのオフィスで行うのではなく、会計事務所に帰ってきて続きを進めるのが一般的です。

監査がない日はしなければいけない業務が多くないため、自己研鑽の時間に使います。

研修会に参加したりクライアントの業界知識を身に付けたりすることが一般的です。

公認会計士の魅力・やりがい

公認会計士は、財務諸表を監査しその正しさを保証する役割があります。

財務諸表の正しさを保証することで、公正な経済活動の発展に寄与することができます。

また、会計のプロとして企業経営において重要な判断を任されることも公認会計士の魅力です。

組織内会計士やコンサルティングなどの形で、企業の重要な判断を任されることもあり、企業や社会を動かす力を持つこともできます。

参考:公認会計士の魅力

公認会計士になるには試験に合格する必要がある

公認会計士になるには公認会計士試験に合格する必要があります。

試験は年2回開催の短答式と年1回開催の論文試験があります。

短答式に合格し論文試験にも合格し、3年以上の実務試験を経ることで公認会計士として登録されるのです。

試験範囲は会計学の分野と企業法・租税法が必須選択で、経営学や民法などが選択科目となっています。

合格に必要な勉強時間は、受験回数によっても異なるため、2,000〜5,000時間と言われています。

2,000時間で合格できたとしても、1日5時間の勉強を400日、すなわち1年以上続けなければいけないため、かなり難しい試験であることがわかるでしょう。

参考:公認会計士試験について

まとめ:公認会計士を志すなら勉強時間を確保することが大切

公認会計士は企業や社会に対して、とても大きな役割を果たします。

その分、公認会計士になるためのハードルも高く、長い期間勉強し続けなければなりません。

もし、自宅で集中して学習できない人には、自習室やコワーキングスペースで学習するという選択肢もあります。

例えば、全国に32スタジオもある勉強カフェは、静かすぎる自習室が苦手という方におすすめです。

あなたの学習に最適な環境を探して、公認会計士試験合格へ近づけるように勉強してみてください。