宅建に必要な勉強時間の目安
宅建とは?
「宅地建物取引士」のことを「宅建」または「宅建士」といい、毎年の受験者数は20万人にも及ぶ日本最大規模の国家資格になります。
宅建とは、不動産取引の専門家(宅建士)を示す資格で、宅建試験に合格し登録実務講習を経て登録することで、宅建士として不動産売買の際、その土地や建物について重要な詳細説明をすることができるようになります。
不動産に関する重要事項の説明などは宅建士だけに許された独占業務で、不動産業を営む場合5人に1人以上は宅建士を在籍させる義務があり資格保有者は必要な人材の1つになってきます。
また、宅建士は不動産業だけでなく、建築関係や金融関係、資産運用のコンサルタントなどの職業にも有効な資格になり、資格を保有しているだけで手当が出ることが多いので収入アップやキャリアアップに繋がります。
忙しい社会人でも宅建の資格は取れる?
宅建の資格取得は、社会人の方でも十分取得可能です。
実際に仕事をしながら取得した人がほとんどです。
受験資格に年齢制限もないので、中学生が受験したり、90歳の高齢者の方が受験されていますが、主な年齢層は社会人としても多忙な20代〜50代になります。
宅建合格の難易度
宅建の合格率は約15%〜17%。同じくらいの勉強時間が必要と言われているFP 2級(ファイナンシャルプランナー)の資格の合格率が30%〜40%と、倍以上の差があるので宅建の資格取得はかなりの狭き門と言われています。
また、合格率の低い理由には試験の範囲が広い上、出題問題数はわずか50問という点があります。
また、35問解ければ合格できると言われていますが、合格の基準が決まった点数を取ればいいという単純なものではなく、合格基準は試験の平均点以上になってくるので平均点以上を取らなくてはならりません。
そのため、受験者の平均点が高ければ高いほど合格点は上がっていきます。
しかし、社会人で仕事しながら資格取得している方も多いので仕事しながらでも宅建の資格取得は十分可能です。
宅建の試験内容
宅建試験には、学生の時に受けたような、国語、算数、理科、社会などの「科目」があります。
実際には、「権利関係」「法令上の制限」「宅建業法」「税法・その他」という様々な科目に分れており、どの分野もしっかりとした知識が必要です。
また、科目ごとに勉強方法も異なってくるため、しっかりとした勉強の計画を作っていきましょう。
宅建の点数配分は
・権利関係 14点満点
・法令上の制限 8点満点
・宅建業法 20点満点
・税法、その他 8点満点
になります。
宅建に合格するための勉強方法
宅建に合格するためには、事前知識があったとしても必要学習時間は約200時間、そうでない場合は300時間から500時間と言われています。
範囲が広く暗記することも多いため、たくさんの時間が必要になってくる訳ですが、その時間も使い方が1番大切になってきます。
通信講座や通学または、独学など勉強方法は主に3つありますが、それぞれで時間の掛け方は変わってくるため、自身に合った勉強方法で学んでいきましょう。
宅建勉強の目安は予備知識があるかによって変わってくる
宅建合格に必要な勉強時間は200時間〜300時間と言われていますが、正直なところ勉強の仕方によっても変わってきますし、社会人であれば不動産業に従事しているか、法律の知識があるかなど、事前に予備知識があるで大いに変わってきます。
不動産従事者、法律に詳しい方の勉強時間は約200時間
現在も不動産業の従事者であったり、不動産の仕事での経験や、法律の勉強をしたことがある方の場合、200時間の勉強で十分取得可能な場合があります。
また、現在も不動産従事者である場合は、一般受験よりも有利な制度もあるためしっかり活用して挑むことをお勧めします。
不動産従事者は宅建受験点数5点免除になる
不動産に従事している方は、「宅地建物取引業に就いている」「従事者証明書を持っている」という2つの条件を満たしてから、国土交通大臣が指定する講習を受講し「登録講習終了証明書」を交付してもらうことで、宅建受験で、「5点免除」という制度を利用することができます。
その制度を利用することで、一般の方の合格率が約15%なのに対し、「5点免除制度」を利用した受験者の合格率は20%になります。
宅建初心者の方の勉強時間
宅建の予備知識がゼロの状態から勉強を始めるなら、少なくても350時間以上は確保しておく必要があります。
また、1日の中で勉強に割ける時間がどのくらいあるのかで勉強の期間は変わってきます。
1日 2時間以上勉強できるのであれば半年前からのスタートで十分350時間に到達できますし、また、 毎日1時間以上勉強に時間を割けない方や、継続的に勉強時間を確保するのが困難な場合は、1年前からしっかりと準備しておく必要があります。
そして、 3ヶ月の短期間で受験を目指す場合は平日2時間以上、休日は6時間以上の勉強時間が必要です。
平日と休日で勉強に使える時間を計算し、余裕を持って勉強をスタートさせましょう。
宅建に合格するための勉強方法
上記でも説明した通り、宅建の勉強方法は大きく分けて通信講座、通学講座、独学の3つに分けられます。
通学講座(メリット・デメリット)
通学講座費用10万〜15万
合格率50%〜70%
受験者の全体で約18%が通学講座を利用
メリット
・通学講座は勉強仲間ができるためモチベーションの維持がしやすい。
・講義も生で聞けるため、分からないことは、すぐに講師に聞けるので理解が早い
デメリット
・費用が高い
・通学が面倒
かけられる費用に余裕があり、自身のモチベーション維持に不安があるのであれば、通学で宅建を学ぶのはお勧めです。
ただ、通学時のみの勉強ではなく自宅でももちろん勉強は必要になってくるので、時間にもある程度余裕を持てることが条件です。
通信講座(メリット・デメリット)
通信講座費用 2万〜10万
合格率40%〜70%
受験者の全体で18%が通信講座を利用
メリット
・ある程度自身のペースで学べる
・スマホに対応している通信講座が多くどこでも勉強できる
デメリット
・勉強は基本1人なので挫折しやすい
・通学よりは安いが、独学よりは費用がかかってくる
通信講座は独学と通学講座の間のような感じで、試験の対策などのサポートを受けられたり、いつでもスマホなどで勉強できたりするので1人で学ぶことに不安がなく、専門的なサポートが欲しい方は通信講座をお勧めします。
独学(メリット・デメリット)
独学費用 約1万
合格率7%〜8%
受験者の60%以上が独学を選択
メリット
・費用が圧倒的に安い
・自分のペースで勉強できる
デメリット
・分からないところを解説してくれる人がいない
・挫折しやすい
独学は、デメリットが強烈ですが全体の60%以上が独学で受験しています。
また、合格率は他の勉強方法より低いのも確かですが、強い意志を持ち勉強をしていけば、合格率はグッと上がるはずですし、実際独学で合格した人は多くいらっしゃいます。
独学の時間配分とポイント
独学でいちばん大切なのはタイムスケジュールになります。事前にしっかりとした時間配分をしておく必要があります。
また、初心者かつ独学で資格取得を挑戦する方は、最低300時間以上は勉強時間を確保しておきましょう。
【各科目ごとの時間配分】
・権利関係:90時間〜
・宅建業法:90時間〜
・法令上の制限:80時間〜
・税その他:20時間〜
・免除科目:20時間〜
(参考https://www.agaroot.jp/takken/column/study-hours/)
闇雲に勉強を始めるのも危険なので、まずは、自分に合ったテキストを選びましょう。
また、1回目の勉強を深掘りしすぎて時間をかけすぎるのも注意が必要です。
現在YouTubeでの学習もできるので、移動時間などを活用し活字での勉強だけでなく、動画などの活用をしていくのも効果的です。
過去問を繰り返し解いていくことや、模試は積極的に受けることも合格率を上げるポイントです。
まとめ
宅建の資格取得の合格率は約15%〜17%とかなり難易度の高い資格になってきますが、取得することで転職に有利になったり、キャリアップに繋がるため興味がある方は、挑戦する価値は大いにあると思います。
また、独学で受験される場合、学習時間は基本的に300時間以上と言われています。
各科目ごとに時間配分や勉強方法を決め着実に合格の確率を上げていきましょう。