社労士試験の合格率は6 〜7%|合格するためのポイントも解説

「社労士の試験はどのくらいの人が受かるのかな?」

「社労士試験は難しいって聞くけど具体的にどのくらいの合格率なのかな?」

社労士を目指すにあたって、上記のような疑問を抱いている方も多いのではないでしょうか?社労士は難しい資格と言われているものの、具体的な合格率を知らない方もいるでしょう。

そこで本記事では、社労士試験の合格率を年度別、職業別、年齢別に分けて紹介します。あわせて、合格率が低い理由や合格するポイントも紹介します。社労士を目指している方は、ぜひ参考にしてください。

社労士試験の合格率は毎年変化している

社労士試験の合格率は毎年変化しており、職業や年齢別で違いがあります。

ここでは、以下の3つに分けて合格率を紹介します。

・過去10年の合格率

・職業別の合格率

・​​年齢別の合格率

過去10年の合格率

以下の表は過去10年の合格率です。平成26年度が9.3%と最も高いものの、その後の平成27年から令和2年にかけては7%を切っています。

令和3年になると合格率は7.9%になり、合格者がやや増えました。

毎年6%〜7%を前後しており、これは10名受験して1名が合格できるかどうかの合格率です。

試験実施年度 合格率 合格者数 受験者数 申込者数
令和3年 7.9% 2,937人 37,306人 50,433人
令和2年 6.4% 2,237人 34,845人 49,250人
令和元年 6.6% 2,525人 38,428人 49,570人
平成30年 6.3% 2,413人 38,427人 49,582人
平成29年 6.8% 2,613人 38,685人 49,902人
平成28年 4.4% 1,770人 39,972人 51,953人
平成27年 2.5% 1,051人 40,712人 52,612人
平成26年 9.3% 4,156人 44,546人 57,199人
平成25年 5.4% 2,666人 49,292人 63,640人
平成24年 7.0% 3,650人 51,960人 66,782人

参考:受験申込者数 ・受験者数 ・合格者数の推移 (過去10年)

職業別の合格率

職業別の合格率にも違いがあり、最も高いのは会社員でした。そして次に無職、公務員、団体職員の順です。

合格率が最も高いのは時間が限られている会社員なのは意外だと思った方もいると思いますが、スキマ時間を活用したり予備校に通ったりすれば、合格は十分可能であることがわかります。

社労士の受験では、いかに時間を有効活用するかが鍵となってくるでしょう。

職業別の合格率 合格率
会社員 60.4%
無職 10.3%
公務員 7.8%
団体職員 5.6%
自営業 4.2%
役員 3.4%
学生 1.1%
その他 7.2%

参考:受験申込者数 ・受験者数 ・合格者数の推移 (過去10年)

年齢別の合格率

年齢別の合格率は、35〜39歳が最も高く、続いて30〜44歳となっています。

そもそも社労士はある程度、社会経験を積んでから受験する方が多くなっていることもあり、自然と30代の合格率が増えていきます。

このことから、30代以降でも社労士を目指すのは無謀なことではなく、十分可能性があることがわかるでしょう。

なお、20代の割合は2.2%と最も低い傾向にあります。

年齢階層別 割合
35〜39歳 18.1%
30〜34歳 17.5%
45〜49歳 14.4%
40〜44歳 14.1%
25〜29歳 10.6%
50〜54歳 9.4%
55〜59歳 7.5%
60歳以上 6.2%
24歳以下 2.2%

参考:受験申込者数 ・受験者数 ・合格者数の推移 (過去10年)

社労士試験の合格基準も毎年変化している

社労士試験の合格基準も毎年変化しています。

試験実施年度 選択式試験
合格基準
選択式試験

救済科目

択一式試験

合格基準

令和3年 24点以上 労働に関する一般常識 1点以上

国民年金法につき 2点以上

45点以上
令和2年 25点以上 26点以上 労働に関する一般常識

社会保険に関する一般常識

健康保険法

につき2点以上

44点以上
令和1年 26点以上 社会保険に関する一般常識

につき2点以上

43点以上

参考:第53回(令和3年度)社会保険労務士試験の合格基準について

   第52回(令和2年度)社会保険労務士試験の合格基準について

   第51回(令和元年度)社会保険労務士試験の合格基準について

社労士試験の合格率が低い理由は対策ができていないため

社労士試験の合格率が低い理由は、対策ができていないためです。逆にいえば、しっかりと対策すれば合格できる可能性は十分あるということです。

対策ができない理由としては、主に以下の3つが挙げられます。

・出題される範囲が広い

・1科目でも基準点が割れると合格できないため

・科目合格制度がないため

出題される範囲が広い

社労士試験で出題される範囲は、「労働関係科目」と「社会保険関係科目」の2つに分けられ、さらに細かく分類した10科目を対策する必要があります。

・労働基準法

・労働安全衛生法

・労働者災害補償保険法

・雇用保険法

・労働保険の保険料の徴収等に関する法律

・労務管理その他の労働に関する一般常識

・健康保険法

・厚生年金保険法

・国民年金法

・社会保険に関する一般常識

出題される範囲が広いうえ、科目によっては法律や制度を多く求められるものもあり、求められる知識が膨大です。

そのため、試験までに十分な勉強ができず、合格に至らないケースが多くあります。

1科目でも基準点が割れると合格できないため

社労士の受験は、総得点で判断するわけではなく、1科目でも基準点が割れると合格できません。いわゆる「捨て科目」がなく、全科目をしっかりと勉强する必要があります。

苦手な科目があるとそれだけで合格基準を満たすのは難しくなり、合格率が低くなってしまいます。かといって、まんべんなく勉強するにしても、出題範囲が広く完璧にカバーするのは困難です。

科目合格制度がないため

社労士試験の合格率が低い理由として、科目合格制度がない点も挙げられます。

科目数が多い国家資格の一部には、たとえ試験に不合格になったとしても、合格基準を超えている科目に関しては翌年の試験が免除される「科目合格」が設けられています。

科目合格があればその分の試験勉強をしなくて済むため、時間の余裕ができる点がメリットです。

しかし社労士は科目合格制度がないため、一発ですべての科目に合格しなければなりません。その難易度の高さから、合格率が低くなっています。

合格率の低い社労士試験に合格するポイント

合格率の低い社労士試験に合格するポイントは、主に以下の3つです。

・まんべんなく学習できるように計画を立てる

・計画をもとに勉強時間を確保する

・集中して学習できる環境を整える

これから紹介するポイントを押さえれば、合格率の低い社労士試験に合格できる可能性が高まります。以下で詳しく見ていきましょう。

まんべんなく学習できるように計画を立てる

社労士試験は各科目で基準点を上回る必要があるうえ、科目合格制度も設けられていません。つまり一発で合格するためには、まんべんなく学習できるように計画を立てる必要があります。

学習計画を立てずに勉強に取り組んでも、モチベーションが下がってしまうほか、勉強も下がってしまいます。必ず具体的な学習計画を立てて、着実にこなしていきましょう。

計画をもとに勉強時間を確保する

社労士試験に合格するためには、計画を元に勉強時間を確保するようにしましょう。

論文では、偏差値が高い生徒はそうでなかった生徒に比べて勉強時間が長いとの結果が出ています。また、勉強する時間も朝が多いことも判明しました。

このことから、まとまった勉強時間を確保し、できることならば朝に取り組むのがおすすめです。社会人の方でも、いつもより早起きして30分だけ机に向かうことから始めてみましょう。

参考:学生の勉強方法による学習効率性の違いについての考察

集中して学習できる環境を整える

周囲に電話やTVがある状況は学習に適しておらず、集中を妨げる原因の1つです。また、肉体的な疲労も集中力が維持できない原因であり、このことから疲れにくい環境かつ集中できる場所での勉強が最適であることも研究でわかっています。

最近はコワーキングスペースや勉強カフェといった場所があります。家での勉強が難しい方は、そちらを利用してみるのがおすすめです。とくに同じ目標を持つ仲間とのコミュニティを形成すれば、モチベーションの維持・向上につながるほか、新しい刺激も生まれます。

参考:韓国におけるサイバー大学生の満足度に影響を及ぼす学習環境要因分析

まとめ:集中して社労士試験対策をしたいなら「勉強カフェ」へ

社労士の合格率は6%〜7%と低く、合格するのは困難です。出題範囲が幅広いこと、科目合格制度が設けられていないこと、1科目でも基準点が割れると不合格になることが理由として挙げられます。

しかし、しっかりと対策をすれば合格は十分可能です。とくに合格者の職業で最も多いのは会社員です。つまり、働きながらでもしっかりと勉強時間を確保し、勉強のポイントを押さえれば合格する可能性は十分あります。

社労士の合格を目指すためには、周囲とのコミュニティ形成、勉強に集中できる環境が必要です。「勉強カフェ」は勉強環境が整っており、モチベーションの維持・向上に期待できます。勉強カフェは無料見学会を行っていますので、気になる方はぜひお気軽にお問い合わせください。