税理士資格を得るための条件まとめ|勉強のコツも紹介

「税理士資格を取得したいけれど、誰でも資格は得られるの?」

こんな悩みを持っていませんか?

この記事では、税理士資格を得るための条件と、受験資格について解説します。

試験に合格するためのポイントと、実践してほしい勉強のコツもお教えしますので、ぜひ参考にしてください。

税理士の資格を得るための条件

税理士の資格は、誰でも得ることはできません。

定められているいくつかの条件のひとつに該当する場合は、税理士の資格を得られるため、まずは当てはまる条件があるかを見てみましょう。

こでは、税理士資格を得るための条件を解説します。

参考:税理士の資格取得|日本税理士会連合会

税理士試験に合格した人

税理士試験に合格している人は、税理士の資格を得られます。税理士試験とは、税理士に必要な知識や応用力があるかを判断するものです。

必要な知識や応用力があると認められれば、試験は合格となり、資格を取得できます。

税理士試験は毎年8月上旬頃、全国12~16箇所の場所で行われます。

国税局や国税事務所がある場所で実施されるため、住んでいる地域に国税局があるかを確認しておきましょう。

一点注意したいのが、試験に合格するだけでは資格を取得できないことです。

租税、または会計に関する事務に従事した期間が2年以上あることも条件なので、該当する職種での実務経験も積んでおかなければなりません。

税理士試験を免除されている人

一定条件を満たしている方は税理士試験が免除されるため、受験せずに資格を取得できます。

免除の対象についてまとめました。

  • 修士、または博士の学位を授与されている
  • 税務署に10年以上勤務している

税法に属する科目などの研究によって修士、または博士の学位を授与した人は、税理士試験の3科目が免除されます。

会計学で修士・博士の学位を授与した場合は2科目です。

どちらも国税審議会に免除申請を行う必要があるため、忘れずに手続きを行ってください。

10~15年以上税務署に勤務している方は、税法に属する試験が免除されます。

23~28年以上勤務しており、指定研修を修了している方は会計学に属する試験が免除されるため、受験科目を減らせます。

税理士試験に合格した人同様、租税、または会計に関する事務職に2年以上従事している必要があるので、実務経験も積んでおいてください。

参考:博士の学位による試験科目免除について〔税理士法改正後〕|国税庁

弁護士または弁護士の資格を持っている人

現在弁護士として働いている、または弁護士資格を持っている人は、税理士としての資格を得られます。

弁護士として、税務関係の依頼をメインに受けたいと考える方もいるでしょう。

弁護士資格があるだけでも大きな強みですが、さらに税理士登録を済ませていれば、より安心感は増します。

顧客に信頼される弁護士を目指すためにも、すでに弁護士資格を取得している方は、併せて税理士登録も済ませておいてはいかがでしょうか。

公認会計士または公認会計士の資格を持っている人

公認会計士として働いている、または公認会計士の資格を持っている人も、税理士としての資格を得られます。

弁護士同様、公認会計士と税理士のダブルライセンスは、顧客に大きな安心感を与えます。信頼関係を築くためにも、登録を済ませておくことがおすすめです。

税理士の登録を行う際、公認会計士試験の合格証明書が必要になるので、手続きの際に持参してください。

参考:受験資格について|国税庁

税理士試験を受けられる人の条件

税理士試験は誰でも受けられるものではありません。条件を満たす必要があるため、受験を考えている方は満たさなければならない条件を確認しましょう。

ここでは、受験資格に必要な条件について解説します。

会計学に属する科目は受験資格が撤廃

令和5年度から会計学に属する科目の受験資格が撤廃されたため、誰でも試験を受けられるようになりました。

以前まではいくつかの要件が定められていたものの、現在は撤廃されているので、誰でも試験に挑戦できます。

税法に属する科目は受験資格が必要

税法に属する科目にはさまざまな受験資格が定められているため、満たすものがあるかを確認することが大切です。

学識・資格・職歴・国税審議会の個別認定など、分野別の条件について見ていきましょう。

学識による受験資格

学識の分野における受験資格は、いずれかひとつを満たす必要があります。

”大学、短大又は高等専門学校を卒業した者で、社会科学に属する科目を1科目以上履修した者

大学3年次以上で、社会科学に属する科目を1科目以上含む62単位以上を取得した者

一定の専修学校の専門課程を修了した者で、社会科学に属する科目を1科目以上履修した者

司法試験合格者

公認会計士試験の短答式試験に合格した者”

引用元:税理士試験受験資格の概要|国税庁

大学や短大、専修学校に通っていた方は、社会科学に属する科目を履修していたかを確認してください。

試験に申し込む際は、履修していたことを証明する書類が必要です。

また、司法試験や公認会計士試験に合格している場合も、学歴による受験資格を満たしています。

こちらも合格を証明する書類が必要なので、用意しておいてください。

資格による受験資格

資格による受験資格は、日商簿記検定一級・全経簿記検定上級・会計士補が対象です。

いずれかに合格している場合は税法に属する科目の試験を受けられるため、資格を有している方は証明書類を用意しておきましょう。

全経簿記検定上級に関しては、昭和58年以降に合格している人が対象です。

昭和58年以前に合格した場合は受験資格を満たしていないため、ほかに該当する受験資格がないかを確認してください。

職歴による受験資格

職歴による受験資格を満たす条件についてまとめました。

”法人又は事業行う個人の会計に関する事務に2年以上従事した者

銀行、信託会社、保険会社等において、資金の貸付け・運用に関する事務に2年以上従事した者

税理士・弁護士・公認会計士等の業務の補助事務に2年以上従事した者”

引用元:税理士試験受験資格の概要|国税庁

いずれかに該当する場合は、学歴などを満たしていなくても受験資格を得られます。

国税審議会の個別認定を受ける

国税審議会から個別認定を受けていれば、そのほかの要件を満たしていなくても受験資格を得られます。

認定を受けられる人についてまとめました。

  • 外国の大学で社会科学に属する科目を1教科以上履修しているなど、学識で掲げる人と同等以上の学識を有している
  • 商工会や青色申告会での業務など、職歴で掲げる業務に類すると認められる業務に通算2年以上従事している

個別認定は、職歴や学識で定められる人物に近い人が受けられるものです。

定められる条件ではなくても、同等の学識や職歴を持つ場合は、国税審議会に申請しましょう。

その他の受験資格

そのほかの受験資格としては、以下が挙げられます。

  • 社会科学以外に属する科目を学ぶ学部であっても、教養科目や共通科目で社会科学に属する科目を1教科以上履修している
  • 大学3年次以上に在学、または中途退学をしていても、社会科学に属する科目を1教科以上62単位以上取得している

大学や短大に通う場合、社会科学に属する科目を学ぶ学部に在籍することは条件ではありません。

また、中途退学であっても、学歴に掲げる条件を満たしていれば、税理士試験の受験資格を得られます。

参考:受験資格について|国税庁

税理士試験の科目と合格するための条件

税理士試験の科目は、会計学に属する科目と税法に属する科目の2科目です。

会計学に属する科目は簿記論と財務諸表論、税法に属する科目は以下から3科目を選びます。

  • 所得税法
  • 法人税法
  • 相続税法
  • 消費税法、または酒税法
  • 国税徴収法
  • 住民税、または事業税
  • 固定資産税

税理士試験は科目合格制なので、一度にすべての科目の試験を受ける必要はありません。

1科目ずつ受けられるため、勉強の進捗状況に合わせて受ける科目数を決めましょう。

税理士試験の内容についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。

税理士試験に合格するポイント

税理士試験は計算問題と理論問題どちらも学ぶ必要があるため、まんべんなく学習することが大切です。

また、必要な知識を暗記するインプットと、学んだ知識を話したり、自分の言葉でまとめたりするアウトプットも両立しなければなりません。

2つを両立することで効率よく知識を吸収できるでしょう。

両立して勉強を進めていくには、学習計画を立てることが重要です。

試験までにやるべきことを把握し、長期的な学習計画を大まかに立てます。

1日のタイムスケジュールを綿密に計画すれば、時間別にすべきことが把握できるだけでなく、インプット・アウトプットそれぞれの時間を確保できます。

学生や社会人によって確保できる勉強時間は異なります。大切なのは、無理なスケジュールを立てないことです。

無理なスケジュールを立てると、疲れによって計画通りに勉強を進められません。ライフスタイルに合わせた計画を立てることで勉強時間をしっかりと確保できるでしょう。

まとめ:勉強効率アップのためには環境づくりも大切 

税理士の資格を取得するには、受験資格を満たしたうえで、5科目の試験に合格しなければなりません。税理士に必要な知識と応用力があるかを見極められるため、必要な知識をしっかりと学ぶことが大切です。

学習計画を立てることで効率よく勉強を進められるものの、勉強に適していない環境だと集中できません。特に環境における音は集中力に影響があるとされており、無音だと集中力が低下するという実験データも出ています。そのため、ある程度の音があり、勉強に必要な設備が整った場所を見つけることが大切です。

自宅に設備を用意できない場合は、勉強カフェに足を運んでみてはいかがでしょうか。勉強する場所がないとお悩みの方のために作られた勉強カフェは、勉強用のワークスペースと、利用者が歓談するラウンジを用意する施設です。

ワークスペースは集中しやすい設備だけでなく、BGMも流れているので、勉強に専念できるでしょう。疲れたらラウンジで休憩できるため、メリハリをつけて、効率よく学習できます。勉強場所にお悩みの方は、一度足を運んでみてください。

参考:社会人の「学び」におけるサードプレイスと社会ネットワークが果たす機能

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   多様な音環境による心理的影響と作業パフォーマンスへの影響の関連性