税理士試験合格までの勉強時間を徹底解説!科目別、勉強時間短縮の方法まで

税理士試験は合格率も低く、かなりの勉強時間が必要です。これから税理士を目指す人は「勉強時間はどれくらい?」と疑問に思っているのではないでしょうか。

そこで、この記事では、税理士試験合格までの勉強時間を徹底解説します。科目別に必要な勉強時間やポイントを紹介するだけでなく、勉強方法や勉強時間短縮のコツもお伝えします。

この記事を読めば、あなたの勉強計画や合格戦略に役立つことでしょう。ぜひ最後までお読みください。

税理士試験に合格するまでに6~7年かかる

税理士試験は国家資格の中でも難易度が高く、合格するためには6〜7年の勉強期間が必要です。

税理士試験は11科目から5科目を選択して受験し、全ての科目で60点以上を取らなければなりません。

しかし、科目ごとの合格率は平均で15%程度と低く、一度に全ての科目を合格することは至難の業です。

そのため、科目合格制度を利用して、毎年1〜2科目ずつ合格を積み重ねる必要があります。

このようにして税理士試験に合格する人の平均勉強期間は6〜7年となっています。ただし、一定の条件を満たすことで、科目免除もあり、合格までの期間の短縮が可能です。

属性別の勉強時間の目安

税理士試験の勉強時間は属性別に異なりますが、一般的に社会人よりも学生や独学者の方が多くの時間を確保できます。

税理士試験の総勉強時間は約3,000時間といわれていますが、これはあくまで平均的な時間です。

実際には受験者の属性によって必要な勉強時間や方法は変わってきます。以下に主な属性別の勉強時間の目安を示します。

社会人の場合

社会人の場合、仕事や家庭などと両立しながら勉強する必要があります。

そのため、毎日2〜3時間程度しか勉強できないことが多いです。しかし、社会人のメリットは実務経験や事前知識が豊富であることです。

特に会計や税務関係の仕事をしている場合は、勉強時間を短縮できる可能性があります。

また、社会人は自分の目標やモチベーションを明確に持っていることが多く、計画的に勉強できることも強みです。

学生の場合

学生の場合、授業や課題などと並行しながら勉強する必要があります。

しかし、学生のメリットは時間的な余裕があることです。特に大学生や大学院生の場合は、自分のスケジュールを調整して、毎日4〜5時間程度は勉強できることが多いです。

また、学生は法学部出身であったり、会計や税法に関する修士論文を執筆していたりする場合は、事前知識が豊富であることもあります。

ただし、学生は社会人に比べて目標やモチベーションが曖昧になりがちなこともデメリットです。

独学の場合

独学の場合、自分で教材を選んだり、勉強方法を決めたりする必要があります。

そのため、独学のメリットは自分のペースで勉強できることです。また、独学は費用面で有利であることもあります。

しかし、独学のデメリットは孤独感や不安感が強くなりがちであることです。特に税理士試験は長期戦であるため、モチベーションを保つことが難しいことも多いです。

そのため、独学者は他の受験者や先輩税理士と交流したり、オンラインスクールなどを利用したりすることがおすすめです。

税理士試験合格までの勉強時間

税理士試験合格までの勉強時間は科目別に異なりますが、一般的に必須科目や選択必須科目は500〜700時間程度、選択科目は150〜500時間程度必要です。

また、属性別にも勉強時間の目安は変わってきます。ここでは、科目ごとの合格までに必要な勉強時間の目安などを解説します。

必須科目

必須科目は「簿記論」と「財務諸表論」の2つです。これらの科目は会計の基礎を学ぶ科目であり、税理士試験の中でも最も重要な科目といえます。

しかし、その分難易度も高く、勉強量も多いです。必須科目の合格率は平均で約10%〜20%程度であり、一般的に500〜700時間程度の勉強時間が必要です。

科目の特徴を見ていくと「簿記論」は計算問題が多く、正確さと速さが求められます。また、「財務諸表論」は理論問題が多く、理解力と応用力が必要です。

選択必須科目

選択必須科目は「所得税法」「法人税法」の2つであり、いずれか1科目以上を選ばなければなりません。これらの科目は税法の基礎を学ぶ科目であり、税理士としての実務に直結する科目といえます。

しかし、難易度も高く、理解するまでに十分な勉強量が必要です。

選択必須科目の合格率は平均で約10%程度と低く、500〜700時間程度の勉強時間が必要です。

なお「所得税法」は個人の所得に関する税制を学ぶ科目であり、細かい規定や計算方法が多くあります。

また「法人税法」は法人の所得に関する税制を学ぶ科目であり、会計との連動性や課税方式が重要です。

選択科目

選択科目は「相続税法」「酒税法」「消費税法」「固定資産税」「事業税」「住民税」「高税徴収法」の7科目であり、そのうち2科目または1科目を選択します。

ただし、酒税法と消費税法、事業税と住民税はいずれか1科目しか選べません。

選択科目の合格率は10〜20%程度と科目によってばらつきがありますが、一般的に150〜500時間程度の勉強時間が必要です。自分の得意不得意などを考慮して、選択科目を選んでください。

税理士試験の概要や特徴

税理士試験は国家資格の一つであり、税務に関する専門的な知識や技能を有する者を認定する試験です。

税理士試験の特徴は、科目免除制度や選択科目制度などがあることです。

試験は年に1回、3日間にわたって実施され、全11科目から5科目を選んで受験します。

試験時期は、例年8月上旬から中旬の連続する3日間です。合格発表は11月下旬から12月上旬となります。

出題形式は記述式で、各科目とも満点の60%以上を得点すると合格できます。

また、受験料は受験科目数によって変わります。1科目受験は4,000円ですが、5科目全て受験すると1万円の受験料です。

税理士試験の合格率と難易度

税理士試験は国家資格の中でも最も合格率が低く、難易度が高い試験です。平均で約15%程度の合格率です。参考までに令和4年度の税理士試験について合格率をご紹介します。

学歴等区分 年齢別 受験者数 5科目到達者数 一部科目合格者数 合格者数合計 合格率
大学卒 21,822 493 3,561 4,054 18.6
大学在学中 1,463 436 436 29.8
短大・旧専卒 660 16 75 91 13.8
専門学校卒 2,591 59 404 463 17.9
高校・旧中卒 1,962 44 389 433 22.1
その他 355 8 141 149 42
41歳以上 10,805 274 965 1,239 11.5
36~40歳 4,407 112 743 855 19.4
31~35歳 4,581 114 901 1,015 22.2
26~30歳 4,131 82 911 993 24
25歳以下 4,929 38 1,486 1,524 30.9
合計 28,853 620 5,006 5,626 19.5

 

区分 受験者数 合格者数 合格率
科目
簿記論 12,888 2,965 23.0
財務諸表論 10,118 1,502 14.8
所得税法 1,294 182 14.1
法人税法 3,454 425 12.3
相続税法 2,370 336 14.2
消費税法 6,488 740 11.4
酒税法 454 60 13.2
国税徴収法 1,709 235 13.80
住民税 476 82 17.2
事業税 269 38 14.1
固定資産税 910 167 18.4
合計(延べ人員) 40,430 6,732 16.7

参考:国税庁「令和4年度(第72回)税理士試験結果」

さまざまな角度から合格率を見ていくと、税理士試験の難易度の高さが伺えます。学歴、年齢層、科目別とさまざまな面から合格率を比較してみてください。

税理士試験に向けて効率よく勉強する方法

合格率が低い税理士試験ですが、できるだけ効率よく勉強していきたいところです。ここからは、税理士試験合格に向けて、効率よく勉強する方法をご紹介します。

選択科目の選び方に気を付ける

選択科目は7つの中から1科目もしくは2科目を選べますが、その選び方は重要です。

選択科目は難易度や勉強量に幅がありますので、自分の興味や得意分野に応じて選ぶことがおすすめです。

難易度から考えると酒税法や国税徴収法が良いでしょう。いずれも勉強量や出題量も少なく、出題内容に偏りがあるからです。

酒税法は計算中心、国税徴収法は理論問題に偏りが見られますので、得意であれば選んでみてください。

合格率から見れば固定資産税もおすすめです。固定資産税は近年15%前後の合格率であり、他の科目に比べると、比較的合格しやすいと言えます。

また、受験者のレベルを考慮すれば法人税法、消費税法がおすすめです。

税理士試験は科目ごとに60%以上の得点率と言うボーダーラインはありますが、実質的には相対評価であり、上位レベルに得点能力が高い受験者が居ると、競争が激しくなります。

ただし、法人税法や消費税法は難易度が低いと言う意味からではなく、実務にも役立ち早めに身につけたほうがいいという視点からです。

通信講座を活用する

通信講座は、自宅で教材やDVDなどを使って勉強する方法です。通信講座のメリットは、時間や場所を自由に選べることや、費用が安いことです。

また、通信講座では、専門家や先生からのアドバイスや添削なども受けることができます。

通信講座は、社会人や独学者など、自分のペースで勉強したい人におすすめです。

資格スクールに通う

資格スクールは、教室で先生から直接指導を受ける方法です。

資格スクールのメリットは、分からないことをすぐに質問できることや、他の受験者と切磋琢磨できることです。

また、資格スクールでは、最新の出題傾向や対策法なども教えてもらえます。資格スクールは、学生や社会人など、集中的に勉強したい人におすすめです。

オンラインスクールを活用する

オンラインスクールは、インターネットを使って先生から指導を受ける方法です。

オンラインスクールのメリットは、通信講座と資格スクールの両方の利点を兼ね備えていることです。

具体的には、時間や場所を自由に選べることや、分からないことをすぐに質問できる点です。

また、オンラインスクールでは、動画や音声などの多様なメディアを使って勉強することができます。オンラインスクールは、最新の技術を使って効果的に勉強したい人におすすめです。

税理士試験の科目別学習ポイント

ここからは勉強時間内に効率よく学習するために科目別の学習ポイントを簡単にご紹介します。

簿記論

簿記論においては、計算問題が中心となるため、基礎的な項目でしっかりと点数を積み上げることが重要です。

特に、問題資料の読み取りに注意を払い、ケアレスミスを避けることが求められます。

財務諸表論

財務諸表論では、理論問題と計算問題がほぼ同じ割合で出題されるため、バランスよく勉強する必要があります。理論はただ暗記するのではなく、しっかりと理解することが重要です。

計算問題については、繰り返し演習を行うことでスキルを高めましょう。

所得税法

所得税法は試験範囲が非常に広く、計算と理論の両方が必要です。基本項目の計算を習熟するとともに、理論は理解と暗記を繰り返すことが有用です。
スキマ時間を活用して勉強時間を確保することも重要なポイントとなります。

法人税法

法人税法も試験範囲が広く、多くの勉強時間が必要です。理論は多様な出題形式に対応するため、暗記と内容の理解が必要です。計算は基本項目の習熟度が重要となります。

相続税法

相続税法では、当事者の立場をイメージしながら理論を覚えると、理解が深まります。試験時間が2時間と短いため、時間配分を意識することが重要です。

消費税法

消費税法においては、計算のスピードと理論の理解度を上げることが重要です。理論は単なる条文暗記ではなく、理解が必要です。

酒税法

酒税法では、計算問題でケアレスミスをしないように注意が必要です。
試験では電卓の持ち込みが許可されているので、効率的な計算方法を覚えることが有用です。

国税徴収法

国税徴収法は暗記が必要な理論問題が多いため、暗記と理解力を同時に高める必要があります。

住民税は所得税法と重複する部分が多いので、両方を一緒に学ぶと効率的です。

事業税

事業税では、理論は暗記と要点のまとめ、計算は効率と正確性が求められます。理論暗記と計算演習を継続的に行うことが重要です。

税理士試験合格に必要な勉強時間を確保しよう

この記事では、税理士試験合格までの勉強時間を徹底解説しました。

税理士試験は非常に難しい試験ですが、効率よく勉強することで合格への道は開けます。

この記事で紹介した内容を参考にして、あなたの勉強計画や合格戦略を見直してみてください。

そして、あきらめずに試験勉強に取り組み、合格を目指してください。

https://gooschool.jp/online/zeirishi-benkyoujikan/#index_id1

https://www.career-adv.jp/recruit_info/career/850/

https://kaikeiplus.jp/topic/zeirishi/zeirishishiken/9210/

https://news.mynavi.jp/shikaku/zeirishishiken-benkyoujikan/#toc3

https://career.jusnet.co.jp/tax/tax_03_01.php