中越一統さんに聞く公認会計士の資格を取得するためのポイント

公認会計士の資格は、監査業務が行える唯一の国家資格として知られています。資格を取得することで仕事の幅が広がる可能性が高いものの、難易度が高いため勉強法に悩む方も多いでしょう。

そこで今回は、公認会計士の資格を持つ「中越一統さん」にお話を伺い、資格取得のために使った勉強時間や工夫したことをお聞きしました。本記事では、回答して頂いたアンケート内容をもとに、公認会計士の資格を取得するためのポイントを紹介します。資格取得を目指して勉強に励んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

中越さんに聞く公認会計士の資格取得への道のり

中越さんに聞く公認会計士の資格取得への道のり

それでは早速、中越さんにお聞きした内容を紹介します。資格取得のきっかけや勉強する際の工夫、学習計画についても詳しく触れているため、ぜひチェックしてみてください。

Q1:あなたのプロフィールを教えてください。

まずは、詳しいプロフィールをお伺いしました。

中越さん:
・大学(農学部・水産学科)卒業後食品メーカーに技術職で入社。
・会計士試験(昔の二次試験)に合格したため4年で退社し監査法人へ転職。
・監査法人勤務中に2年間休職し海外留学。その後外資系企業2社で12年現場経験を積みRGPと契約し現在に至る。

資格取得をきっかけに、監査法人に転職した中越さん。その後は海外留学などを経て、さまざまな企業に勤めています。公認会計士の資格を取得したことで、仕事の幅を広げられたことが分かる内容です。

Q2:資格取得のために使った勉強時間はどれくらいですか?

次に、資格取得のために使った勉強時間についてお聞きしました。

中越さん:
・独学で簿記を1級手前レベルまで学習
(約9か月 毎日帰宅後に1~2時間程度学習)
・簿記の基礎を学習後に会計士予備校の夜間コースで1年間学習
(学校で毎日2時間程度受講して帰宅後1~2時間復習など)
・本試験直前は早朝の答練コースに参加してテストを受けてから出勤し昼休みに会社で復習した。

独学で簿記を学習後、予備校の夜間コースで勉強をしていたそうです。仕事をしながらの勉強だったため、仕事外の時間を使って勉強を進めていた中越さん。本試験前は早朝にも勉強を行い、帰宅後や昼休みの時間もうまく活用していました。

Q3:資格を取得しようと思ったきっかけは何ですか?

中越さん:
最初の就職先で上司から“数字の読める技術者“になることを強くすすめられ簿記の勉強を開始したところ会計に興味を持ちその延長で会計士を目指した。

中越さんは、上司から勧められて簿記の勉強を開始し、公認会計士の資格取得を目指したそうです。最初は人に勧められただけであっても、自分で興味を持てば継続した学習ができるでしょう。

Q4:勉強する際に工夫したことは何ですか?

中越さん:
・昼間は仕事があり学習時間が限られていたため特に意識することなく集中できた。
・土曜日は終日学習に費やす一方で日曜日はオフの日と割り切り、草ラグビーチームで汗を流したことがストレス対策・リラックスとなった。
・予備校で友人を作り通学へのモチベーションとした。

生活にメリハリをつけ、予備校では友人を作ってモチベーションを上げていた中越さん。資格取得の勉強はモチベーションの継続が難しいケースが多いため、このようなお話は非常に参考になりますね。

Q5:どのような学習計画を立てて勉強を進めましたか?

中越さん:
予備校を信頼してほかに手を広げないこととして、授業をペースメーカーとして学習した。正答率の高い問題で取りこぼしのないように、基本事項・論点を繰り返し学習した。

Q6:公認会計士資格の科目数の多さをどのように克服しましたか?

中越さん:
科目によって学習量のボリュームは異なるので、メリハリをつけた。特に経営と監査にはあまり時間をかけないようにした。会計士試験は合計点勝負であり苦手科目を他でカバーできるため科目数が多いことはむしろ自分にとって有利と考えていた。

公認会計士の学習においては、科目数の多さに挫折するケースも多く見受けられます。中越さんはメリハリをつけた学習を行い、科目数の多さをポジティブに捉えていたようです。また、学習計画については予備校を信頼し、授業をベースに学習を進めていたと語っています。

Q7:公認会計士の資格を活かすために必要なことは何だと思いますか?

公認会計士としての資格をビジネスに活かす際、ほかに身に着けておくべき知識をお聞きしたところ、以下のように回答していただきました。

中越さん:
・自分の関与する企業やプロジェクトに関する周辺知識
・広く浅くでよいので経営学全般
・英語
・システム関連 (EXCELなども含めて)
・事業会社での実務経験

企業やプロジェクトの周辺知識のほか、経営学全般を身につけておいた方が良いと教えてくださいました。また、さまざまな企業で活躍していくためには、英語やシステム関連の知識、実務経験も必要です。

Q8:資格を取得したことで生活に変化はありましたか?

中越さん:
・一般企業から監査法人への転職
・ラグビー協会への関与
(監査。コンプラ委員として)

Q9:資格取得後に叶った夢や達成した目標はありますか?

中越さん:
海外関連のプロジェクトへの参画

資格を取得したことで転職し、海外関連のプロジェクトへの参画という夢を達成した中越さん。公認会計士の資格は難易度が高いものの、取得することで中越さんのように視野や仕事の幅も広がるでしょう。

Q10:あなたの人生を一言で表すとしたら、どんな言葉になりますか?

中越さん:
結果オーライ

Q11:資格取得を目指す方へエールを送るとしたら、どのような言葉をかけますか?

最後に、資格取得を目指している方へのメッセージをお聞きしました。

中越さん:
会計士資格を活かせる領域は広く、自分が面白いと思えるものを見つけることができるので将来の自分の姿を想像しながら頑張っていただきたい。

公認会計士の資格を活かせる領域は幅広いため、資格を取得することで視野を広げられるでしょう。また、自分の将来を想像しながら勉強を進めると、モチベーションの維持にもつながります。

自分の将来を想像しながら資格取得を目指そう!

自分の将来を想像しながら資格取得を目指そう!

今回は、リソース・グローバル・プロフェッショナル・ジャパン株式会社の中越さんに、公認会計士の資格取得についてお伺いしました。公認会計士の資格は難易度が高いとされており、勉強のモチベーションが続かない方も多くいます。

そのようなときは、本記事の内容を参考にしながらメリハリをつけて学習を行ったり、仲間を見つけてモチベーションを維持したりしてみてはいかがでしょうか。

有資格者様:プロフィール

リソース・グローバル・プロフェッショナル・ジャパン株式会社
中越一統 (なかこしかずとう) 

クライアント・ディベロップメント・ディレクター

略歴

東京大学農学部卒業後に明治製菓(現株式会社明治)に入社。在職中に公認会計士試験に合格しアーサーアンダーセンで主として監査業務を経験。途中休職してオレゴン大学でMBA取得。その後モトローラ株式会社で半導体工場コントローラー、デル株式会社で経理ディレクター、事業部コントローラーとして、財務会計、管理会計のほか移転価格調査など各種プロジェクトに対応。RGPでコンサルタントを経て現在に至る。